第2次世界大戦後、日本では経済が急速に発展し、大量の中産階級を擁する「釣り鐘型」の人口ピラミッドが形成された。

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第2次世界大戦後、日本では経済が急速に発展し、大量の中産階級を擁する「釣り鐘型」の人口ピラミッドが形成された。だがここ数年、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の恩恵が国民の隅々まで行き渡ることはなく、貧富の差が拡大し、これに深刻な高齢化、ずしりとのしかかる社会保障負担、低迷する雇用情勢が加わって、中産階級が社会の底辺に向かって徐々に沈み込むようになった。日本の社会構造は少しずつ底辺の短い「つぼ型」へと変わっている。新華社が伝えた。

▽貯蓄ゼロは3世帯に1世帯

日本の国税庁がまとめた統計によると、2014年の日本の貧困層は約1139万人で、1999年の約804万人に比べて42%増加した。安倍政権がスタートした12年末から14年までのわずか2年ほどの間に、貧困層は約50万人増加した。

生活保護の受給者も増えている。厚生労働省の統計では、15年末現在、生活保護受給世帯は163万4000世帯で、需給者数は216万6000人に上り、いずれも過去最高だった。

長年にわたり日本社会の貧困問題に取り組んできた日本弁護士連合会元会長の宇都宮氏は、「日本では貯蓄ゼロの世帯の割合が約30%に上る。1980年代はわずか5%だった。今や3世帯に1世帯は貯蓄ゼロだ」と話す。

貯蓄ゼロ世帯の激増は、戦後の第1次ベビーブーム世代(1946-64年生まれ)の貯蓄が食いつぶされていることが主な原因だ。

近年、貧困ラインを下回るベビーブーム世代が増えている。この世代は、経済的に低迷し低所得にあえぐ子ども世代を支援しなければならず、高齢の両親の面倒もみなければならず、板挟みの状態で、自分たちの老後のために蓄えた資金を徐々に食いつぶし、経済的に困窮するというケースが多い。

▽貧富の差が拡大

貧困層が増え続ける一方で、安倍政権発足後、日本では大企業と富裕層の資産がたびたび過去最高を記録している。

財務省のまとめた統計をみると、14年度には日本の大企業約5000社が保有する利益は299兆5000億円に達し、前年度比14兆円増加し、8年連続で記録を更新した。米経済誌「フォーブス」がこのほど発表した日本の15年度長者番付をみると、上位40人の資産総額は15兆4000億元に増加し、安倍政権になってからの4年で2倍以上増えた。

▽「鉄の茶碗」はもうない、誰もが非正規

日本が戦後、多数の中産階級を擁する社会を形成した上で、終身雇用制の果たした功績は計り知れない。だが90年代にバブル経済が崩壊すると、企業の業績が大幅に低下し、日本政府は経済界の要請を受けて法律を改正し、労働者の利益を犠牲にして、企業が非正規の労働者を雇用することを認め、こうして終身雇用制をはじめとする日本の職場の伝統は失われた。

21世紀になると、非正規労働者は年々増加。厚労省の統計では、14年には1962万人に達し、全労働者の37.4%を占め、95年に比べ約900万人増加した。

宇都宮氏は、「非正規労働者の賃金は正社員の約半分で、昇進のチャンスもなく、あらゆる面で不公平だ。企業の業績が悪化すれば、すぐにクビを切られる」と指摘する。08年の金融危機の時には、大量の非正規労働者がリストラされ、ホームレスになる人もいて、深刻な社会問題となった。経済協力開発機構(OECD)は当時、日本政府に非正規雇用の横行する状況を改善するよう求めた。

日本共産党の植木広報部長は、「安倍政権は発足後、非正規雇用の問題の改善に努力しなかっただけでなく、15年には労働者派遣法を改悪して、企業が非正規労働者をより雇用しやすいようにした」と話す。

▽消費税率引き上げ、社会保障負担を国民に転嫁

高齢化の進行にともない、日本政府の社会保障負担が年々増加し、毎年約1兆円の負担増に耐えなければ、これまでの社会保障水準を維持できなくなっている。