本田の欠場が濃厚な初戦は、右ウイングに小林悠が起用されそうだ。またGKは、川島が約1年ぶりに起用される可能性もある。

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 6月2日に発表されたFIFAランキングで、日本は前回の57位から53位にランクアップ。アジアではイラン(39位)、韓国(50位)に次ぐ三番手だ。
 
 一方、キリンカップの初戦で対戦するブルガリアは、前回から変わらず69位。日本よりも下の順位だが、だからといって簡単に勝てる相手ではない。
 
 日本は過去、ブルガリアと5度対戦し、1分4敗と一度も勝ったことがない。直近の試合は、アルベルト・ザッケローニ体制下での2013年5月のキリンチャレンジカップで、今回と同じ豊田スタジアムで行なわれた一戦は、0-2と完敗を喫している。
 
 前半にスタニスラフ・マノレフのブレ球FKを川島永嗣がファンブルしてリードを許すと、後半には相手のFKに対応しようとした長谷部誠がオウンゴールを献上。本田圭佑や岡崎慎司が不在だった攻撃陣は不発に終わった。
 
 当時の勝利の立役者のひとりでもあるボランチのスベトスラフ・ディアコフは、今回も来日メンバーに名を連ねている。苦手意識が拭えない日本とは逆に、ブルガリアからすれば良いイメージを持って試合に臨めるだろう。
 
 EUROの出場権を逃したものの、手強い相手である。長谷部も「非常にオーガナイズされた良いチーム」と警戒を強める。3月のフレンドリーマッチでは、クリスチアーノ・ロナウド率いるポルトガルを相手に、敵地で1-0の勝利を挙げている。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「若手が台頭してきて、野心を持ったチームに生まれ変わっています」とブルガリアの印象を語る。
 
 ワールドカップの最高成績が4位(94年)という東欧の実力国を、指揮官は日本より格上と見なしている。そうした相手に対し、「どう守備をするのか。特に空中戦で対抗できるのか。そしてオフェンス面で我々のプレーが見せられるかどうか」と、攻守両面で日本の現在地を図るつもりだ。
 
 10番を背負うイベリン・ポポフをはじめ、個人技に優れるアタッカー陣に対し、ハリルホジッチ監督が強調するデュエル(1対1の勝負)はどこまで通用するのか。また、アジアでの戦いに比べれば、「守備をする時間も出てくると思う」(長谷部)。そうした時のブロックの作り方はトレーニングで確認済みで、「状況を見て、自分たちで判断することが大事」と長谷部は語る。
 
 そして攻撃面では、ブルガリアのコンパクトなブロックを敷く組織的なディフェンスを崩すには、ボール奪取後の素早い仕掛けがポイントになるだろう。マイボールにしたら、相手が陣形を整える前に、時間をかけず縦方向にボールを運ぶと同時に、複数人が攻め上がって圧力をかけたい。
 
 ノックアウト方式で行なわれ、タイトルの懸かった大会で、ホスト国がいきなり負けるわけにはいかない。プライドを懸けて、勝利を手繰り寄せたい。
 
 試合前々日の会見で、ハリルホジッチ監督は「レベルの高い試合をするための準備をしてきた」と言い、「勝つトライをしたい」と言葉に力を込めた。テストマッチの側面はあるものの、初戦のブルガリア戦では新戦力を試すより、現時点でのベストメンバーをピッチに送り込むのではないだろうか。
 
 GKは、「おそらくプレーする可能性が高いでしょう」と、指揮官は川島のスタメン起用を示唆。「彼は野心と厳しい気持ちを持って、先発を奪いたいと態度で示してくれた」と、トレーニングでのパフォーマンスを高く評価したようだ。
 
 最終ラインは、左から長友佑都、森重真人、吉田麻也、酒井高徳の4人。今回はCBではなく左SBとして招集された槙野智章は、“本職”の長友の控えと見るのが妥当だろう。右SBは、より状態の良さそうな酒井高がスタメンを勝ち取りそうだ。二枚のCBは、3月シリーズの2試合(アフガニスタン戦、シリア戦)でもコンビを組んだ吉田と森重が、今のハリルジャパンのレギュラー筆頭格であるのは間違いない。