今宵もまた東京の至るところで、出会いを求める男女が戦を繰り広げている。

楽しい時間のあとに男性が取る行動としてスマートと讃えられるタクシー術。 お金を渡すのか、一緒に送っていくのか、それとも……?

これまではタクシー代だけで暮らせたITバブルの2000年、ライブドアショック後の2006年、リーマン・ショックの被害を受けた2008年を、通算2,500回の「お食事会」に参加し、元“プロ女子大生”という肩書をもつ優子と共にタクシー代の在り方を紹介した。

そして前回からは優子からバトンを受け継いだ、平成生まれの「愛」が味わった2012年、ゆとりバブルについて。今回は現在の2016年にスポット当てる。


送り狼おじさんに、足りないタクシー代の現状


2016年を迎え、平成元年生まれは27歳に。これまでは生まれ年だけでチヤホヤされていたが、後にやってくるミレニアムベビー世代に比べれば珍しさもなくなった。お食事会の機会はあっても、結婚を考える年齢になったことで男性陣は同い年か5歳上。彼らに“タクシー術”というスマートな行動は求めておらず、終電もしくは女性同士での相乗りが普通となっていた。

たまにタクシー代をくれるのかと思えば、それは自宅までかかる金額には足りておらず、残りは自腹というのも珍しくない。むしろ、貰えると思っていなかっただけに3,000円でも思わぬ収穫。昔は「ありえない」と言っていた友人たちも、今はこれが普通だよねという価値観へと変わっていた。

ひと回り以上離れた男性とのお食事会もあったが、帰り際にタクシー代をくれることはなく「一緒に途中まで送っていくよ」という送り狼状態に。食事をごちそうしてもらっただけでそんな気分になれるわけがなく、タクシーの中では自分の荷物を相手との間に置き、距離を縮められないようにしていた。

降ろしてもらうときは自宅の最寄りではなく、一駅離れたところに。お別れをしたあとは別のタクシーに乗ってひとりで帰る。年齢的に稼ぎも安定したため、タクシー代への執着も薄くなっていた。

草食男子が増えたことにより、そういったところで必死にならなくてもいいという考えの男性が増え、逆にタクシー代を出すようなタイプは“胡散臭い”という印象を与えるまでに。しかし今、別のタクシー術を使っておいしい思いをしている人がいた。

きっかけは芸人おぎやはぎの矢作氏がある番組で「合コン後は送っていかないし、タクシー代も渡さない。呼んだタクシーに女性を乗せて帰らすだけ」という発言からだった。決してこれはタクシー代を払わないということではない。


男性が多く支払うこともなく、スマートだと思われるタクシー術とは?


画期的なアプリの登場によりタクシー代はウィンウィンに


「Uber(ウーバー)」というアプリに聞き覚えはあるだろうか。アメリカの企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリのこと。世界58カ国・地域の300都市で利用されており、2014年に日本でもローンチされた。

使い方は簡単でアプリをダウンロード後、クレジットカードの情報を登録。そのあとは迎えに来てほしい場所を指定し、タクシーを待つだけ。その後の支払いもカードで自動的に引き落とされるので、お会計もスムーズなのだ。さらに車両は、日産フーガやトヨタのクラウン、レクサスなどを使用している。

実際に私もあるお食事会でUber(ウーバー)を体験した。それはIT企業でエンジニアとして働く、30歳草食系男子との3対3での会だった。結婚を視野に入れている私たちにとって、“エンジニア”という肩書の男性は嬉しい。彼らにはまじめな人が多く、結婚後も浮気の心配がないと先輩に教えられていたからである。

決して積極的ではないが押しには弱いので、自分が優位に立つこともできる。そんな話を聞いていたこともあって、女性陣は狩人のような鋭い視線で彼らを狙っていた。

一軒目は中目黒にある『ティ ピッキオ』で食事と会話を楽しんだ。思いのほか会話が弾み、二軒目は卓球のできる『中目卓球ラウンジ』で終電を過ぎるまで盛り上がったのである。




解散のタイミングになり、タクシー代に期待していなかった女性陣は自腹で帰ろうと考えていた。タクシーはすでに男性陣が用意してくれて、そういった呼ぶという行為ができることに感動。そのくらい、草食な彼らには期待していなかったのだ。自宅近くで降ろしてもらい支払いを済ませたようとしたときに、運転手からでたのは「支払いはあちらなので大丈夫ですよ」の一言。

どうやらUber(ウーバー)を使いタクシーを呼び、支払いは登録したカードで済ませてくれていたのだ。恩着せがましいわけでもない、この使い方がとてもスマートに感じた。決して多い金額を渡しているわけではないので、男性陣の懐も傷まない。女性としてもひとりで自宅近くまで帰れるので、身の危険も感じない。両者にとってウィンウィンと言える術だ。

その後の女子会ではUber(ウーバー)の話で持ちきり。払ってもらえると思わなったというサプライズもあり、お食事会相手の男性陣の株は急上昇した。全員が個別にデートをしてもいいと思い、女性陣から食事に誘ったくらいである。

多く出せばいいというバブル期は過ぎ、現代ではいかにスマートで下心が垣間見えないようにするかが重要。きちんと女性を家まで一緒に送るという気持ちは有り難いが、初めて会う相手であれば警戒心もある。楽しいお食事会の余韻を、ひとりタクシーで噛みしめたいときだってあるのだ。懐もさほど傷まないこの方法で、自身の株を上げてみてはいかがだろうか?

<これまでのタクシー代の秘密>
Vol.1:時は2000年の東京。プロ女子大生はタクシー代だけで暮らせた。
Vol.2:2006年のライブドアショックとタクシー代の相関関係
Vol.3:リーマン・ショック後、元プロ女子大生のタクシー代の行方やいかに
vol.4:2012年、ゆとり世代が「先生」と慕った、タクシー代以外もくれる男とは?