マタハラ被害の現実「社会や組織は簡単に変わらないから」実践したい事2つ

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「女性が活躍する社会の実現を目指す」と政府が公言して以来、働く女性を取り巻く環境は好転してきているのでは、と期待感が増しています。

でも、これから妊娠を考えている方や働き始めようと思っている方の耳には、“リアルな産休・育休事情”というものは、なかなか入ってこないですよね。

そこで今回は、ゲンナイ製薬が過去10年以内に産休を取得したことのある20〜49歳の1,000名の女性に対して実施した「産休・育休に関する実態調査」の結果から、産休・育休の現実についてお話しをしていきます。

それを踏まえて、フリーランスを表彰するイベント『Lancer of the year 2016』で、“ワークライフバランス部門”特別賞を受賞した経歴を持つ筆者が、どうやって育児と仕事の両立を果たすのがベストか考えて実践している2つをご紹介します。

 

■1:心身共に“女性の負担が大きい”という実態

実際に育児休暇を取得したというママ達へのアンケートでは、「出産1か月前まで仕事をしていた」という人がなんと3割弱という厳しい現実が浮き彫りになっています。新たな命を産む一か月前まで、普段と変わりない生活をしているということは大きな負担です。

出産1か月前となれば、もう妊娠後期で出産は目前。お腹の膨らみはマタニティウェアを着なければならないくらいの大きさになっていますし、むくみや尿漏れ、胃の不快感といった症状をはじめ、妊娠中毒症にも気を付けなければならない時期。

厚生労働省によると、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は、14週前)から産休をとることが可能とのことです。しかし、実際は出産の4週前……。出産ギリギリまで仕事をしている女性が3割もいるのです。

しかも、パートナーは育休を取得したかどうかという問いに「取得した」との回答が得られたのは僅か7.8%。パートナーの育休取得率はわずか1割にも満たないということがわかりました。

育児への不安、仕事を休むことによる職場への罪悪感、そして産後の育児を考えると、女性の負担が大きいというのは明らかです。

 

■2:制度があっても“取りづらい”のが現実

育児休暇をとれるという“制度”があっても、実際にその制度を利用して休暇をとるということがどれだけ大変かがわかるデータがあります。

「職場ですでにほかの従業員が産休・育休を取得した前例があったかどうか」という問いに対し「なかった」という回答が31.4%となり、自身が初めての取得事例となったという方が少なくありません。

また、ワークライフバランスを考えて、部下のキャリアと人生の両方を応援してくれる上司、“イクボス”が職場にいてくれたかどうかに関しては、4人に3人が「いなかった」という回答をしています。

制度そのものはあるものの職場で取得前例が無く、応援し支えてくれる上司が不在で、理解してくれる同僚もいない……こういう環境では、制度は形骸化していると言ってよいでしょう。制度があって、実際に利用できる環境を整えることが組織にとって急務といえるのではないでしょうか?

“制度があれば良い”というわけではなく、“使える制度が必要”なのです。

 

■3:マタハラ被害を受けた人は4人に1人

育休や産休の申請をためらってしまった理由の上位に、マタハラへの懸念が挙げられています。なんと、産休・育休取得時にマタハラ被害を受けたという方は26.7%。4人に1人はマタハラ被害に苦しんでいるのです。

その内容としては、「精神的な嫌がらせ(嫌味をいう。無視する)」や「雇い止め(解雇、契約を更新しないなど)の示唆」や「就業形態を転換する(正規から非正規への転換など)旨の示唆」、「望まない異動の示唆」が挙げられています。

割合こそ少ないものの、「身体に過度に負担がかかる業務を任される」といった経験があるという方も2.4%存在しており、この現状がより産休・育休を取得しにくい社会構造を作り出しているのです。

 

■4:産休・育休明けも困難の連続が待っている…

無事に休暇が取れたのであれば万々歳、と考えている方はちょっと待った! 実は、休み明けこそ困難が立ちはだかっているというのです。そもそも、職場復帰できなかったという人が2割強いるのです。

その理由としては、メディアでも話題になっている「保育園がみつからなかった」というものや「職場に迷惑をかける不安」が挙げられました。休暇を取り、育児と仕事の両立を図ろうとしても実際に壁にぶち当たり断念する女性がたくさんいるということがわかります。

さらに、「復帰したものの復職後1年未満で退職したという方」が8.7%もいます。実際に仕事をしながら家事や育児を……という生活を始めても、職場の理解の薄さや家族の協力度合によって困難を極めるというのが現実なのです。

 

■5:乗り越えるために人生設計とプライオリティを明確に

では、実際にこれから結婚そして妊娠出産を考えている方や、仕事を始めようと思っている方、妊娠出産を控えた部下を持つ方など、皆さんがどのように望ましいワークライフバランスを実現したらよいのでしょうか?

筆者が、どうやって育児と仕事の両立を果たすのがベストか考えて実践していること2つをご紹介します。

(1)自分の人生設計を明確にする

まず、人生設計そのものを見直すことです。自分はどうありたいかを明確に、より具体的に思い描いてみましょう。「妊娠、出産を経ても仕事をしたい」という考えがある場合は、どのような働き方を自分が望むのかをはっきりさせることが肝心です。

ここがブレてしまうと、どうやって歩みを進めるべきかわからなくなってしまいます。家族や職場や親族といった周囲への理解を求めたり協力を仰いだりする場合に、自分の明確なビジョンが無いと筋が通りません。ですのでまずは人生設計を明確にしましょう。

(2)“失いたくないもの”の優先順位を付ける

そして、プライオリティ(優先順位)をつけていきましょう。ここで気を付けるべきことは、“望んでいるものから順位をつける”のではなく“失いたくないものから順位をつける”こと。

誰でも皆、望み始めたら上を見てキリがありません。まずは、自分にとって失いたくないものをピックアップしましょう。そして、その中で優先順位をつけるのです。そうすると、自分が何を最優先でやらなければならないのか、何を少し我慢すべきなのかがわかります。

 

いかがでしたか? 社会や組織は残念ながら、簡単に変わってはくれません。ですので、この厳しい現実を自分が望むままに生きて妊娠出産を経ても仕事を諦めないために、自分自身をまず見直してみませんか?

そうして厳しい社会に身を投じることによって、自分のベストを尽くし後悔の少ない人生にしていけるのではないでしょうか。

(ライター 清水希枝)

 

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【参考】

※ 「産休・育休に関する実態調査」 - ゲンナイ製薬

※ あなたも取れる!産休&育休 - 厚生労働省

 

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