美しい中世の町ブリュージュを守る、老舗ビール醸造所が考えた驚きの計画

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日本で、ブリュッセルの次に知名度が高いベルギーの町は、ブルッヘ(ブリュージュ)ではないでしょうか。中世の香り漂う街角、伝統のレース編みを飾った窓辺、運河の流れる風景......。どこをとっても絵になり、観光客にも大人気です。
©Kanmuri Yuki
ベルギーは、世界で最もビールの種類が多いと言われる国です。実際に大小さまざまな醸造所が、あちらこちらに見られブリュージュも例外ではありません。
De Halve Maanのビール
そのブリュージュで、この夏までに建設予定なのが、なんとビール専用の地下パイプ。冗談のようですが、大真面目なこの計画。実行に移すのは、160年続く老舗醸造所「De Halve Maan(ドゥ・ハルブ・マーン)」を経営するMaes(マース)家です。

もともと、ブリュージュの歴史地区でビールを醸造してきましたが、事業が大きくなり、瓶詰工程を町の外の新工場に移動したため、ビールを新工場に運ぶトラックを狭い石畳の歴史地区に入れる必要ができてしまいました。
右下醸造所から、左上瓶詰工場まで建設予定のパイプライン
トラックが通れば、石畳も傷みますし、通行人の安全にも影響が出てきます。これに困ったマース家が思いついたのがこのパイプラインのアイディアです。クラウドファンディングで出資者を募り(もちろんお礼はビール! )実現可能となったそうで、この夏までに毎時4000リットルを運ぶ3kmのビールラインができる予定。完成すれば、年間延べ500台のトラックが歴史地区へ入らずに済むことになるそうです。
うつくしい町を守ろうという老舗の愛郷心と、それに応える住民たちの心意気が感じられる話です。きっと時代ごとに、こんな風にみなで協力し合って、町の美観を守ってきたのだなぁと思うと、ブリュージュの景色が、さらに輝いて見えました。
[Le Parisien,De Halve Maan]

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