健康と美のカギ「徐波睡眠」って何?
眠りの深さを左右するのは最初に訪れる深いノンレム睡眠。
睡眠は量だけでなく質も大切。良質の睡眠をとるためには、睡眠のゴールデンタイムである「徐波睡眠」に注目しました。

昼間眠い、ぐっすり眠った感じがしないなら睡眠不足かも

仕事や勉強に加えて最近はSNSなど、睡眠時間を削る要素が増えています。「昼間眠くてしょうがない」「ぐっすり眠った感じがしない」という実感があれば、睡眠不足だといえます。
同じ「昼間眠い」という症状でも、休日に長時間寝れば目覚めがスッキリするなら大丈夫。でも、睡眠は24時間という1日の中で営まれる活動です。平日の睡眠不足という借金を、休日の寝だめで完済することはできないのです。
だから、休日に寝不足を補ったつもりでも、疲れがとれなかったり、眠気が続くことがほとんど。すると疲れが蓄積するだけでなく集中力が低下して仕事のパフォーマンスもダウン。健康や美容にも悪影響を与えてしまいます。

どのぐらい寝れば睡眠不足にならない?

では、何時間ぐらい寝れば、睡眠不足にならないのでしょうか。
人の睡眠時間は固有のもので、人それぞれ。例えば少食の人がいたり、よく食べる人がいるのと同じように、個人差があって当然です。大事なのは、すっきりと1日を快適に過ごせること。それがその人にとってのベストな睡眠時間といえます。
また、1日を快適に過ごすためには、睡眠の量だけでなく質も大切です。この睡眠の「質」を左右するのが「徐波睡眠」です。

「徐波睡眠」が睡眠の質を決める

「徐波睡眠」とは深いノンレム睡眠のこと。人間は睡眠の態勢に入るとまず約90分周期でレム睡眠(浅い眠り)、ノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返し、眠りの後半はレム睡眠が続きます。ノンレム睡眠にはさらに、「浅いノンレム睡眠」と、「深いノンレム睡眠=徐波睡眠」があります。
徐波睡眠は「脳の睡眠」といわれており、これが足りないと、睡眠時間は同じでも、脳の休息が不十分で、ぐっすり眠れた感じがしません。特に、最初に訪れる徐波睡眠では成長ホルモンが分泌されます。つまり、そこからが健康と美容に最も重要なゴールデンタイムなのです。

夜中の2時以降に眠るとゴールデンタイムを逃すことに

ところが、夜中の2時以降に眠ると、徐波睡眠が短くなったり、徐波睡眠が現れにくくなるため、このゴールデンタイムを逃してしまうことになります。
睡眠時間は足りているはずなのに疲れがとれないという人は、このタイプかもしれません。ベッドには入っているけれど、寝つきが悪いためにゴールデンタイムに間に合わないという人は、日中体を動かすようにしたり、午前中の光を浴びるなどすると、寝つきが改善されます。

監修 粥川裕平(かゆかわ ゆうへい)先生
医学博士。睡眠医療認定医。名古屋工業大学保健センター長、名古屋工業大学大学院産業戦略工学専攻教授を経て2015年にかゆかわクリニックを開設。精神神経学会指導医。精神保健指導医。