ブルガリア戦はどのようなメンバーで臨むのか。ハリルホジッチ監督の決断は如何に? 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 キリンカップは確かにタイトルの懸かったトーナメントだ。しかし、位置付けとしてはテストマッチだろう。

 優勝すれば特別枠で来年のコンフェデレーションズカップに出られるというようなボーナスがあるなら間違いなく爛チメンバー″で戦うべきだが、実際にはそうしたボーナス(優勝賞金などはもちろんあるが)はない。
 
 欧州の代表チーム(たとえベストメンバーではなくても)と対峙する貴重な機会とはいえ、少なくとも9月から開幕するワールドカップ・アジア最終予選よりはプライオリティが低い大会だ。
 
 だからこそ気になるのが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のコメントだ。ブルガリア戦を前にした公式会見で、この指揮官はA代表初招集の小林祐希と大島僚太について次のように話していた。
 
「大島と小林祐希はまだ準備段階だと思っています。彼らはここへ来て、見て、学んでいます。もしプレーが可能であれば出しますが、今のところは(東アジアカップ以来の招集となった)浅野のほうが試合に出るチャンスは大きいと思っています」
 
 最終予選を数日前に控えたシチュエーションなら頷けるが、今回はそうではない。キリンカップは捉え方によっては、純粋な新戦力ふたり──小林祐と大島も試してこその舞台でもある。
 
 練習だけで「もしプレーが可能であれば出します」を判断するのは決して悪いことではない。それがハリル流なら仕方がない部分もあるが、実戦をこなしてこそ見えてくるものもあるはずだ。
 
 浅野拓磨、小林悠、清武弘嗣あたりの起用法も踏まえて今回のキリンカップは、9月に開幕するワールドカップのアジア最終予選に向けて絶好のテストの機会だ。

 特にブルガリア戦は、ハリルホジッチ政権下でも絶対的な柱として君臨してきた本田圭佑が左足の怪我で欠場するだけに、猖榲追垪澆離繊璽燹蹐鮓据える意味でも有意義な試合にしたい。

 6月2日の現時点でキリンカップが終われば、次は9月の最終予選まで代表活動の予定は組まれていない。その最終予選まで国内組と欧州組が揃って連係を図れる犧埜紊竜_顱蹐世らこそ、このキリンカップではニューフェイスにチャンスを与えるべきだ。
 もちろん、負けていいわけではない。求められるのは、勝負にこだわりながらも新戦力や代表経験の浅い選手を試すスタンスだ。現体制が発足してから1年以上が経過するが、新陳代謝が進んでいるようでそこまで進んでいないのが現状である。だからこそ、このタイミングで小林祐、大島あたりをテストすることに意義があるのだ。
 
 欧州の代表チームに対して小林祐や大島がどんなプレーをするか。それは、実戦で試さないかぎり誰にも分からない。仮に彼らがハイパフォーマンスを披露すれば、チームとしての可能性は間違いなく広がるだろう。「準備段階だから」とベンチに座らせておくだけでは、個人の、そしてチームの成長にもつながらない。
 
 従来の主力組で戦ってキリンカップを制したとして、9月1日のUAE戦で勝てなかったら本末転倒だ。「私は若手にチャンスを与える勇気があります」と言うのなら、ハリルホジッチ監督には是非ともキリンカップでそれを実践してもらいたい。
 
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)