左膝裏を負傷している本田。冒頭15分だけ公開された試合2日前の練習で、ピッチにその姿を見せたが、別メニューで調整したようだ。(C)JFA

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 キリンカップを控えるトレーニングで、本田圭佑のプレーを見たヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「こんなにパフォーマンスが良い本田を見たことはありません」と語っている。それだけに、今回の怪我は非常に残念であり、本人も悔しい想いをしているはずだ。
 
 指揮官との個人面談では、「攻撃の選手として高いものを要求された」という。それは、所属するミランで求められているものとは「少し違う」が、攻撃の部分で自分にできること・できないことはある程度、整理がついているなかで、「整理をつけすぎると、自分で限界を定めてしまうことにもなる。監督はそれを取っ払ってくれる」だけに、本田もハリルホジッチ監督には信頼を寄せている。
 
 さらなる進化を追求する本田は、ここでしばし足踏みを余儀なくされてしまったが、ただ、負傷したことで改めて分かったこともある。
 
「個人的にはすごく、今回の怪我も良い機会だなという風に思っている。ボールでサッカーをしているだけでは取り組むことのできないトレーニングができる。左右のバランスとか、自分の筋肉の状態を全部見ることができているので。それを見直している最中というか、それは来季に向けても言えることですね」
 
 自身の不在となるチームがどんな戦いを見せるのか。それもある意味、楽しみな部分でもあるようだ。
 
「そもそも、僕が入るか入らないかで、そんなに(戦いぶりが)左右されているようでは、2年後のワールドカップでは結果が残せないでしょう。むしろ、違うプランで“こっちのほうが良いよな”っていうぐらいの形が見られないと、正直、チームとしてのオプションの数が少なすぎるのかなと感じています。そういう期待を込めて、外から見たい」
 
 槙野智章も、本田を「精神的支柱の選手」と認めながらも、「(ブルガリアとの)初戦には出られないかもしれないけど、彼がいなくなった時に大きく変わるようだと良くないし、試されていると思っている。逆に、(本田が)出られない枠のところで、出られる選手にはチャンスだと思う」と語っている。
 
 また、ピッチに立てずとも、将来的に見れば日本代表の強化につながる働きかけはしている。
 
「個人個人へのアプローチが、今は大事な時期かなと思っています。時期的に、ヨーロッパでプレーしている選手も、Jリーグでプレーしている選手も、移籍どうこうという話もある。いくつか案件を抱えている選手もいるかもしれないし、そういう選手といろんな未来や可能性について話をしています」
 
 チームメイトへのアドバイスは、「どうしてもサッカー選手はサッカー馬鹿なので。良い意味でも、悪い意味でも、視野が狭いところがある。良いスパイスになれば良い」と、できるだけ客観的な意見を、遠慮なくぶつけるようにしている。
 
 自分のためだけでなく、チームのために、今の自分にできることをやる。もしかしたら、今回のキリンカップでは怪我の影響で出場できないかもしれないが、それでもその存在価値が薄れることはない。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)