新しい選手を呼ぶだけではなく、試合に使ってほしいと語るセルジオ越後

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マッチメイクの印象としては可もなく不可もなくといった感じだね。

9月にW杯最終予選開幕を控えた日本代表が、5年ぶりの開催となるキリン杯(6月3日、7日)に臨む。

大会は4ヵ国によるトーナメント形式で、日本の対戦相手は初戦がブルガリア、2戦目がデンマークもしくはボスニア・ヘルツェゴビナ。いずれも間もなく開幕する欧州選手権(EURO)への出場を逃した国だ。

欧州のシーズンも終わったばかりで、選手のモチベーションは決して高くない。ひょっとしたら観光気分で来日するかもしれない。また、同じ時期にお隣の韓国は欧州遠征を行ない、EUROに出場するスペイン、チェコと手合わせすることを考えれば、日本も強豪との対戦を求めて、海外に打って出るべきだった。

ただ、それでも日本にとって欧州勢との対戦は貴重。しかも、3ヵ国とも主力選手を連れてきてくれるようだ。特にデンマークはMFエリクセン(トッテナム)やGKシュマイケル(レスター)、ボスニアはFWジェコ(ローマ)やMFピアニッチ(ローマ)が名前を連ねている。いずれも世界的なスター選手ではないけど、強豪クラブで活躍する実力者。アジアにはいないレベルの選手たちだ。

また、昨年から今年にかけてW杯2次予選があり、アジアの格下相手との対戦が続いていただけに、監督就任以降、初めて欧州勢と対戦するハリルホジッチ監督はもちろん、選手たちも新鮮な気持ちで、やりがいを持って試合に臨めるはずだ。

チームとしてのノルマはもちろん優勝。ホーム開催、そして相手との力関係、選手のモチベーションを総合的に考えれば妥当な目標であり、決して無理難題じゃない。

ちなみに、初戦のブルガリア戦に負けると、2戦目はTV中継の都合で試合の順番を入れ替え、日本が出る3位決定戦を決勝の後に行なうことになる。これほどカッコ悪いことはないし、絶対に避けなければいけないね。

今回の日本の主役は当然、レスターの“奇跡の優勝”に貢献した岡崎。ファンも彼のプレーに注目しているだろう。でも、個人的には岡崎以外の欧州組の奮起に期待している。

本田(ACミラン)も香川(ドルトムント)も長友(インテル)も、その他のドイツ組も今季はパッとしなかった。だからこそ、キリン杯でその鬱憤(うっぷん)を晴らしてほしい。「今季の成績はよくなかったけど、俺たちは大丈夫だ。心配するな」というプレーを見せてほしいんだ。

また、いつも言っていることだけど、欧州組、国内組関係なく“不動のメンバー”を脅かす選手のアピールにも期待したい。例えば、両サイドバックは長友、内田(シャルケ。今回は故障で欠場)頼みの状況が続いている。ボランチも同様だ。いつまで長谷部(フランクフルト)に頼り切りなのか。柏木(浦和)、山口(ハノーバー)、柴崎(鹿島)らにはもっと自分の色を出してほしい。

ハリルホジッチ監督も新しい選手を呼ぶだけでなく、しっかりと試合に使ってほしい。今回は中3日で2試合を行なうわけだから、不動のメンバーを引っ張るのではなく、多くの選手を積極的に起用すべきだ。

勝って当たり前の試合が続いたW杯2次予選が終わり、今度は最終予選に向けてどんなスタートを切るのか。見どころはたくさんあるね。

(構成/渡辺達也)