「ファルコン9」の鮮やかな着陸を生んだ、マスクの失敗の軌跡

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スペースX社のロケット「ファルコン9」が宇宙空間から無人船上に着陸するまでをとらえた、迫力満点の映像が公開された。ここまでたどりつくのに乗り越えてきた、イーロン・マスクとスペースXの失敗の歴史を振り返ってみよう。

冒頭の早送り動画は、スペースX社のロケット「ファルコン9」が、宇宙空間まで飛行したあと洋上の無人船(ASDS:autonomous spaceport drone ship)の上に着陸するまでを撮影したもの。「ファルコン9」の外側に取り付けられたカメラで撮影しているため、迫力満点だ。

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動画では、ロケットが地球に向かって真っすぐに落ちていき、スラスターを噴射して無人船の真上に位置を定め、安全に着陸できるよう速度を落とす様子を見ることができる。

今回のファルコン9は、5月27日(米国時間)にフロリダ州のケープカナヴェラル空軍基地から打ち上げられた。アジアの大手衛星運営会社の商業衛星「THAICOM(タイコム)8号」を分離させたあと、大西洋上の無人船(愛称は「Of Course I Still Love You」)に着陸した。

今回の着陸のあと、スペースXのCEOイーロン・マスクは、Twitterでロケットの着陸速度は「設計最大値に近かった」とつぶやいている

ロケットを安定させるために使用される素材の大部分が衝撃で破壊されたが、着陸時のふらつきはわずかだった。「倒れる危険性は多少あった」ものの、失われた素材は交換できるとマスクは述べている。

今回の着陸で、スペースXはファルコン9を合計4回、目標に軟着陸させたことになる(これまでの3回は、2015年12月22日、2016年4月8日、5月6日)。

ビル23階分の高さがあるロケットが初めて垂直着陸に成功したのは2015年12月(日本語版記事)のことだ。このときは、11基の通信衛星を軌道に乗せたあと、第1段がケープカナヴェラル空軍基地近くのプラットフォームへの着陸を成功させている。

信頼性の高い、再利用可能なロケットをつくるというマスクの決意によって、宇宙へのミッションの打ち上げコストが大幅に削減されそうだ。

なお、ファルコン9は、火星探査への利用を視野に入れたロケット「ファルコンヘビー」の先行機として構想されている。。

※ファルコン9の着地実験の成功の裏には、多くの失敗もあった。失敗にめげずにチャレンジを繰り返してきた男、イーロン・マスクのツイートを紹介。

Rocket made it to drone spaceport ship, but landed hard. Close, but no cigar this time. Bodes well for the future tho.

― Elon Musk (@elonmusk) 2015, 1月 10

Looks like Falcon landed fine, but excess lateral velocity caused it to tip over post landing pic.twitter.com/eJWzN6KSJa ― Elon Musk (@elonmusk) April 14, 2015

失敗(2)2015年4月15日
「ファルコンはうまく着地したように見えたが、横方向に移動するスピードが速すぎてロケットがひっくり返ってしまった」

Well, at least the pieces were bigger this time! Won't be last RUD, but am optimistic about upcoming ship landing. pic.twitter.com/w007TccANJ

- Elon Musk (@elonmusk) 2016, 1月 17

失敗(3)2016年1月18日
「まぁ、少なくとも今回の残骸は大きいよ! 最後のRUD(Rapid Unscheduled Disassembly=予想外の速攻解体、つまりロケットの爆破)ではないだろうけど、次の着陸に期待してる」