【警告】日本=長友(70分)、細貝(83分) ブルガリア=ディアコフ(56分)、マレノフ(77分)、ストヤノフ(90+2分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】スタニスラフ・マレノフ(ブルガリア)

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 6月3日に対戦するブルガリアは、過去に1分4敗と一度も勝ち星がなく、3年前のキリンチャレンジカップでは、0-2で良いところなく敗れた相手だ。今回はそのリベンジの舞台となるが、果たして日本代表は、前回対戦でどんなパフォーマンスを披露していたのか。3日のゲームを占うひとつの資料として、当時のマッチレポートを振り返る。

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 コンフェデレーションズカップ終了まで1か月程続く代表合宿の幕開けとなる試合で、いきなりつまずいた。所属クラブで国内カップの決勝を戦う本田圭佑、岡崎慎司、酒井高徳が不在のなか、FIFAランクでは下のブルガリアにホームゲームで完封負けしたのだ。
 
 2010年8月に発足したアルベルト・ザッケローニ体制下で連敗したのは、国際Aマッチ33戦目にして始めてだが、とはいえ結果がそこまで重視されるゲームではなかった。
 
 ザッケローニ監督も6月4日の大一番(ブラジルW杯最終予選・オーストラリア戦)に向けた「テストの場」と捉えており、これまで何度か試してきた3-4-3システムを前半の頭から採用。選手のコンディションチェックにも主眼が置かれたブルガリア戦には、左膝負傷の影響でトップフォームにない長友佑都もスタメンから外れるなど、ベストと言えない布陣で臨んでいる。

 それでも内容的には、腑に落ちない部分があった。3-4-3システムがあまり機能しなかった点は、現段階で大きな問題ではないだろう。3バックの真ん中を務めた栗原勇蔵が、「まだ慣れていないし、簡単に上手くいくはずがない。継続してやっていくことが大事」と冷静に話したとおり、完成度が求められるのはむしろこれから。初招集の東慶悟と工藤壮人を使わなかったのも、手堅いと評判のザック采配を考えれば驚きではない。

 気になったのは、従来の4-2-3-1に戻した後半の戦いぶりだ。
 今回の招集メンバーを発表する際に指揮官がキーワードに挙げた「インテンシティ」――「限られた時間とスペースのなかでのスピーディかつ力強いプレー」をほとんど実践できず、要所を抑えたブルガリアのディフェンスに苦戦。清武弘嗣、香川真司、乾貴士の元セレッソトリオが2列目に並んだ時間帯には流れるようなパス回しからゴールに迫る場面もあったが、相手の守備網を引きちぎるほどの迫力や怖さはなかった。最終局面で幅と奥行の両方をもたらす本田と岡崎の存在価値を、皮肉な形で証明してしまったと言える。
 
 90分間を通して迫力や怖さを欠いた一因は、決め手を欠いたFWふたりにもあるだろう。前田遼一もハーフナー・マイクも枠内シュートはゼロ。76分と90+1分にいずれもエリア内からヘディングシュートを放ったハーフナーだが、DFにきっちり身体を当てられていた。太い柱が見あたらないCFは、このままならアキレス腱になりかねない。
 
 守備面では、やはりセットプレーからの2失点が気がかりだ。カナダとの親善試合(3月22日)、敵地でのヨルダン戦(3月26日)に続きリスタートからあっさりやられている体たらくについては、吉田麻也も「腑に落ちない」とコメント。1失点目は川島永嗣のパンチングミス、ふたつ目は長谷部誠のオウンゴールだから崩されたわけではないと、そんな見方もできなくはないが、内田篤人は「それ以前にファウルの取られ方がもったいない」と指摘する。
 
 敗戦を受けて長友は「負けている状況で後ろにボールを下げていては、世界と戦えない。このままならコンフェデでも全敗する」と警鐘を鳴らす。失態を演じたブルガリア戦で日本代表が垣間見せたのは、精神的な弱さだ。「本当に強いチームならここで負けない。本番前の練習試合でも大学生との試合でも」。内田のその言葉は的を射ている。
 
【日本代表・採点】
GK
1 川島永嗣 5
DF
15 今野泰幸 6
16 栗原勇蔵 5.5
22 吉田麻也 5.5
MF
3 駒野友一 6
6 内田篤人 5
7 遠藤保仁 5.5
17 長谷部誠 5
FW
10 香川真司 6
18 前田遼一 5
19 乾 貴士 6

SUB
DF
5 長友佑都 5.5
21 酒井宏樹 5.5
MF
8 清武弘嗣 6
14 中村憲剛 5.5
13 細貝 萌 ―
FW
11 ハーフナー・マイク 5.5
監督
アルベルト・ザッケローニ 5.5
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)