国立がん研究センターは2016年5月26日、がんの「標準治療」の実施率が全国平均で68%だったと発表した。標準治療とは、科学的根拠をもとに推奨される治療法のことで、学会や厚生労働省がガイドラインで設定している。

同センターは、全国232施設で2012年にがんと診断された31万2381人の患者の治療実態を調査。9つの症例に分け、それぞれ標準治療の実施率を集計した。最高は「肝がん」患者に対して肝臓切除前に行う「ICG(肝臓の解毒能力の検査)」の91.6%。最低は「乳がん」患者の中でも特に再発リスクが高い患者に施す「放射線療法」の33.3%だった。

標準治療を行わなかった理由としては、9症例のうち胃がん、大腸がんなど4症例で「患者の希望」が最多となり、いずれも30%程度を占めた。

標準治療を実施するかしないかは、がんの進行度合いや患者の年齢・状態を考慮して個々に判断されるため、同センターは個別の事例ごとに分析していく必要があるとしている。