連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第9週「常子、初任給をもらう」第50話 5月31日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:松園武大


常子にようやく与えられた仕事(男性社員の書類整理)は、家にまでもって帰らないとならないほど分量が多かった。
家族そろっての夕食にも遅刻し、そのまま部屋にこもると、おにぎりふたつとお茶を用意するかか(木村多江)たちのあったかさに支えられて、一睡もしないまま出社する常子。
後で美子(根岸姫奈)が武蔵(坂口健太郎)に、姉が目の下のクマをつくっていたと報告するが、高畑充希、お肌つやつやなので、クマあるように見えなかった。そして、徹夜しても前髪を薔薇のつぼみのように巻くのは忘れない。いや、きっと髪の毛洗うこともできなかったということだろう。あの洒落た前髪のセットは一日くらいなら充分保つようだ。
そして、会社。ああ、つらい。まずは挨拶の無視攻撃。
ん。このパターン、学校編と同じだった。制服が違うとクラスメイトに冷たくされていた常子。彼女は、集団だと浮くタイプ、要するにいじめられやすいところがあるらしい。
早乙女(真野恵理菜)は、常子の挨拶に一応「おはよう」と返す。彼女のこのタイピスト部屋でのボス度の高さは、彼女が挨拶すると、その後の子も挨拶することでよくわかる。
挨拶を無視するようなことはしない早乙女だったが、常子のやっている書類整理には徹底的に非協力的。へ理屈みたいなものが常子をたじたじとさせる。

とはいうものの、早乙女の台詞を傾聴すると、男性社員の女性社員に対する考え方に異を唱えたいようだ。どうりで、49回で、男性社員の呼びかけに応えてしまった常子を振り返ったタイピストたちの視線が厳しかったはずだ。みんなで無視しようとしていたのに余計なことを(ちっ)という気持ちだったのだろう。
「雑用係」には決してならないという矜持はいいが、いくらなんでも言っていることが理不尽・・・。
さらに、ほかの女性社員がいじわるを積み重ねてくる。
それでも健気キャラの常子は、「いったん引き受けた仕事を途中で投げ出すのはよくありません」という早乙女の正論部分だけちゃんと聞いて最後までがんばる。ほんとに汚れのない子。彼女の真っすぐな美しい心は、字に現れている。じつに整った美しい字を書いていた。高畑の字なのか、スタントか。
さあ。常子のがんばりが実を結ぶか・・・と思わせて・・・。ああ・・・。
早乙女はただの性悪女なのか、はたまた、男性社会における女性の存在意義に深い考えをもった人物なのか、早く答えを知りたい! いつものパターンで明日解決させて!

それにしても、常子のことを「心配ばかりかけるから気苦労が耐えなくて」なんて言うこまっしゃくれた美子。この子の可愛さとずるさと生意気さは、常子の前髪のように一部の隙もなくキマってる。
(木俣冬)