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SAPジャパンは5月31日、SAP HANAプラットフォームの最新リリースSPS12(サポート・パッケージ・スタック12)を発表した。

初めに、バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長の鈴木正敏氏が「HANAは発表されてから5年たつが、S/4 HANA、HANA Cloud Platform、SAP Analyticsと、当社の多彩なソリューションの基盤の技術となっている。また、単なるインメモリ・データベースだけでなく、アプリケーションサービス、プラットフォームサービス、データ統合サービス、データベースサービスなど、単一のプラットフォームでさまざまなサービスを提供している。利用できるデータも多種多様であり、非常にオープンなプラットフォームとなっている」と、HANAが同社のさまざまなソリューションの基盤となっていることを説明した。

鈴木氏は顧客の声に応える形で、SAP HANAのメンテナンス戦略が変更されたことを明らかにした。これにより、顧客はSAP HANA環境を最大3年間運用・継続するか、もしくは、これまで通り年に2回の頻度で最新のSPSを適用するかを選択することが可能になった。

SPS12の機能概要については、プラットフォーム事業本部 エバンジェリスト松舘学氏が説明を行った。SPS11では3つのテーマ「ITのシンプル化」「インサイトの獲得」「イノベーションの実現」が掲げられており、SPS12はこれらを拡張し、「ミッションクリティカルシステムのための強固な基盤」と位置づけられている。

松舘氏は、SPS12の最大の特徴として、「ITのシンプル化」を実現する新機能「SAP HANA Capture and Replay」を挙げた。これは、ワークロードを取得して、別なシステムで再生することを可能にするツールで、従来のデータベースのテストツールに当たるという。運用中の本稼働システムに変更を加える前に、新しい機能を評価し、アップグレードオプションの影響を検討するために利用できる。

松舘氏によると、これまでは、こうしたアップグレードに伴うワークロードのシミュレーションは、運用によってカバーしていたそうだ。なお、Capture and Replayは、クラウド上でベータプログラムを提供しているため、ハードウェアをそろえずに利用することも可能だ。

そのほか、「ITのシンプル化」については、パブリッククラウドの対応が拡張されており、Amazon Web Servicesの新しいx1インスタンスを利用して、2TBまでの大規模インメモリシステムを、基幹系および情報系の双方で本番稼働運用をサポートし、Microsoft Azureでは、448GBまでのインスタンスで、本番稼働環境での利用をサポートする。

「インサイトの獲得」については、ビッグデータインメモリ分散基盤「Spark」の管理ツール「Ambari」との機能統合を拡張し、ストリーム分析機能「Smart Data Streaming」において、オープンソース分散メッセージ基盤であるApache Kafkaとの統合を進める。また、Hadoop向けインメモリクエリエンジン「HANA Vora」にはSparkアダプタを提供する。

「イノベーションの実現」については、グラフデータの処理に関する機能が拡張された。松舘氏によると、ベータ版として提供されていたSAP HANAグラフエンジンがSPS12から一般出荷となり、グラフデータを可視化するツールとグラフを可視的に構築するツールの提供が開始されたという。これにより、人と場所とモノの間の複雑な関係を容易に把握可能になる。

同日、SAP HANAの中堅企業市場向けエディション「Edge Edition」の提供が始まったことも発表された。同エディションは、SAP HANA(32GB)、128GBのダイナミックティアリング、SAP Predictive Analyticsがセットになっており、同社の間接チャネルにより販売される。