経済大国ニッポンを支えた昭和の偉大な名経営者は必ず「格言」を持っていた。彼らはその言葉で社員を、そして社会を成長させていた。“言葉の経営学”ともいえる金言葉の数々には、日本経済復活の大きなヒントが詰まっている。

●小倉昌男(ヤマト運輸元会長/1924〜2005年)

〈これからは収支のことは一切言わない。その代わりサービスのことは厳しく追求する〉

※『小倉昌男 経営学』(日経BP社)より

「宅急便」の生みの親である小倉は対立する官僚から何度妨害されても一歩も引かず、利用者のために戦い抜いた。上の言葉は宅急便サービスを始めるにあたって社員に語った言葉だ。彼の「サービスが先、利益が後」という哲学は、現在も続くヤマトのDNAとなった。

●井深大(ソニー創業者/1908〜1997年)

〈人生で一番の幸福は仕事と趣味が一致すること。その仕事に興味が持てなかったら早く足を洗う。そうでなければ、何とか仕事を自分の恋人にしよう、というぐらいの覚悟を決めるしかない〉

●盛田昭夫(ソニー創業者/1921〜1999年)

〈「好奇心のない人間」に用はない〉

※上記井深・盛田の言葉は『井深大語録』、『盛田昭夫語録』(井深大研究会編、盛田昭夫研究会編、ともに小学館文庫)より

 技術の井深、営業の盛田。ふたりの天才がソニーという世界企業を作った。日本が誇る名コンビは常に「好奇心」と「仕事への覚悟」を説いていた。

●堤清二(セゾングループ創業者/1927〜2013年)

〈断られても挫けずに何度も頼めば、どんな人でも5回目くらいには断ることが難儀になるもの。愚直さが相手の心を打つのです〉

※『PRESIDENT(2012年3月19日号)』(プレジデント社)より

 父・康次郎の死後、西武グループを継承した異母弟の義明と袂を分かち、セゾングループを立ち上げた清二。「チャレンジ精神」と「愚直さ」を信条に東京・池袋を中心に「文化戦略」を推進した。

※週刊ポスト2016年6月3日号