駐日中国大使館の何振良・公使(報道官)が記者会見。5月下旬のG7伊勢志摩サミット宣言が、中国による南シナ海への進出を念頭に「国際法に基づく主張を行うべきだ」と牽制したことに反論。「当事国同士で平和的に解決したい」と語った。

写真拡大

2016年5月31日、駐日中国大使館の何振良・公使(報道官)が在京中国大使館で記者会見した。5月下旬のG7伊勢志摩サミット宣言が、中国による南シナ海への進出を念頭に(1)国家が国際法に基づく主張を行うこと(2)法的手続きを含む平和的な手段による紛争解決を追求すること―などを明記したことについて、「南シナ海での島々はもともと中国固有の領土である」とした上で、「他の関係国も埋め立てや施設設置などを行っている」と反論。「当事国同士で平和的に解決したい」と語った。

【その他の写真】

南シナ海の西砂諸島を巡るフィリピンとの領有権問題でフィリピンが国際仲裁裁判所に提訴していることに関し、「海洋法298条には当時国2カ国の交渉によって解決するとされており、仲裁に関わらないという中国の方針には根拠がある」と強調した。

さらに「中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との間で、当事国が国際法を通じた協議を行うとの取り決めを締結しており、域外国の介入は解決を困難にする」と指摘。G7サミットでの南シナ海に関する言及は一方的なものであり、受け入れられない、と強調した。中国が南シナ海における航行の自由を阻害しているとの批判に対しても、「わが国は航行の自由を最も重視しており、安全や自由を妨害したことはなく、これからも自由を保証する」と反論。その上で「中国は交渉によって隣接する12カ国との国境紛争を解決してきた。今後も南シナ海の問題も同様に平和的に解決していく」と語った。

またG7サミットで、安倍晋三首相が中国経済の減速などを背景に「リーマンショック前のような世界経済の下方リスクが高まっている」と発言したことについて、「先進国だけでなく新興国でも経済成長が鈍化し、中国も減速傾向にあるが、今年1〜4月の中国経済は良い方向に向かっている」と指摘。「世界経済における中国経済の貢献度は依然として25%と高く、今後も中高速の成長が見込まれ、重要なエンジンとなる」と強調した。

その上で、9月に中国・杭州で開催される「G20サミット」主催国として世界経済の発展に重要な役割を果たしていく考えを明らかにした。(八牧浩行)