こんにちは、編集者/ライターの池田園子です。ライターとして食べていくためのリアルについて語る本連載、第7回目では「編集者とライターを行き来して、双方によい影響をもたらす方法」についてお話しします。

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編集だけじゃない。“雑務”も多い編集者の仕事

いま、本業の6〜7割が編集業務(企画も含む)になっている私。女性向けWebメディア『DRESS』編集長のほか、マネーに関するWebコンテンツの編集担当もやっているため、日々たくさんの原稿をチェックしています。これを1年続ければ編集がかなりうまくなる、と宣言してもいいレベル。
それに加え、書籍の編集協力もときどきやっています。書籍の編集協力は「協力」とつくように、Webの編集業務とは毛色が違い、全体の枠組みづくりに加え、ライティングをじっくりサポートすることもあります。「書籍の編集協力=企画・編集2割+ライティング8割」くらいのイメージでしょうか。
そうやって、編集仕事をいろいろとやっていると、編集者はとにかくやることが多いと気づきます。企画づくりからライターやカメラマンのアサイン、取材日時・場所の調整・セッティング、必要があればライターに同行、著者との付き合い、新規著者の発掘・打ち合わせ、広告案件の打ち合わせ、外注費のとりまとめ――などなど、編集業務のほか、雑務もかなりあるのです。

ライターの仕事は手放さない

「忙しい」という言葉は用いたくないので、あえて言うなら「追い込まれる日もある」といったところでしょうか。1日のあいだに原稿が大量にあがってきて、打ち合わせもたくさん入っていて、月の後半だから経理関係もそろそろやらないといけない……そんなときは私が未熟者なだけでしょうが、「ちゃんと月をこせるかなぁ」と追いつめられた気持ちになり、なかなか寝つけない夜も月1ペースであります。
そんなときはたいてい、ライターとして受けた仕事の期日が近づきつつあったり、ボリューム感のある書き仕事が控えていたり、といった状況もセットです。けっこうキツいこともある――それでも私はライターの仕事を完全にやめることはありません。これからもとうぶんのあいだは(現時点の考えにおいては)ないと思います。その理由は主に3つあります。

1. ライターとして欠かせない能力を保ち続けたい

1つ目は取材する力・書く力など、ライターとして備えておくべき力を失いたくないから。4年半ほどのライター経験をへて培ってきた力やノウハウは、いったん離れてしまうと途端に消えてなくなるのでは、といった恐怖もあります。体に染みついているのかもしれませんが、頻度は減ったとしても、定期的にライターとして取材の現場へ出向いて、自ら書くことをしていないと、心配症な私は不安になるのです。

2. ライターの気持ちを理解できる編集者でありたい

2つ目はライターの気持ちを理解していたいから。編集者としてライターに仕事を依頼する機会は多々あります。ライター経験のない編集者より、ライター経験を積んできた私のほうが、ライターの気持ちがわかると自負しています。ライターが成果物を納品後、編集者から返事がくるまでの不安や緊張感、ライターが抱えやすい不満などをわかっているつもりです。だから、先まわりしてサポートしたり、あとからフォローを入れたりして、ライターが心地よく仕事できる状況を多少なりとも整えることができる。自らも現場でやってきたからこそ、そう自信をもっています。

3. ほかの編集者の仕事ぶりを見て、良くも悪くも参考にしたい

3つ目はほかの編集者がどんな仕事をするか見たいから。編集者でもある私ですが、ライターとして仕事をするときは、さまざまな編集者と関わってきました。4年半もの間、じつにいろいろな編集者を見てきました。ていねいなコメントを入れて原稿を戻してくれる人、タイトルや見出しを見違えるものに変えてくれる人、丸投げする人、ニュアンスを超ざっくり指示する以外はすべてライターにやらせてあまり働かない人……本当にいろいろです。
自分が編集者をしているからこそ、ほかの編集者を冷静に観察し、そのうえでいいところや素晴らしいやり方は盗み、微妙だなと感じるところは「自分はそうはすまい」と心に刻みます。ずいぶんと性格の悪い発言かもしれませんが、たくさんのサンプルを見て、学びに変えることで、「一緒にいい仕事ができた」「仕事していて心地よい」と思ってもらえる編集者になれるのでは、と思っています。

次回は編集者/ライター双方に必要なスキルである「企画のつくりかた」についてお伝えします。