3Dプリンターと幹細胞で「自分の手」を育てるバイオアーティスト

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アーティストのエイミー・カールは、3Dプリントの格子細工に沿って人間の幹細胞を成長させ、リアルな「手」を作成した。いずれは、そのつくり方をオープンソースにするつもりだという。

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2/5細胞の培養に使用されるヒドロゲル素材「PEGDA」で、手を培養する

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3/5カール氏の新しいプロジェクト「Regenerative Reliquary(再生可能な聖遺物)」

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5/5顕微鏡で見たPEGDAの3Dプリント

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すべては、アーティストのエイミー・カールが「自分の全身外骨格を育ててみたい」と考えたことから始まった。

だが、オートデスクがサンフランシスコに設立したものづくり空間「Workshop Pier 9(日本語版記事)」のアーティスト・レジデンシー・プログラムに参加しているときに3Dプリントの骨で試作に取り組んだカールは、より小さくて、もっとなじみのある題材に注目した。人間の手を育てることだ。

カールは、人間の手足に関して豊富な経験をもっている。子どもたちのために3Dプリントで義肢をつくる非営利グループでボランティアとして働いており、自身が作成したデザインを無料で公開しているのだ。また彼女は、医療器具にも取り組んでいる。人体の中で使用されるオブジェクトや、いかに体の部位が身体外で生き続けることができるかということに興味がかき立てられると、カールは言う。

現在サンフランシスコのPier 9で展示されているカールの新しいプロジェクト「Regenerative Reliquary」(再生可能な聖遺物)は、彼女がこだわりをもつあらゆるものを集大成した作品だ。カールはこの作品で、3Dプリントの格子細工に沿って人間の幹細胞を成長させ、リアルな「手」を作成した。

カールは自分の手のサイズをもとに、CADで骨の格子細工を設計。骨格とジュエリーの一部を足して2で割ったようなこの格子細工は、シャーレなどの中で細胞の培養に使用されるヒドロゲル素材の一種PEGDA(ポリエチレングリコールジアクリレート)でできている。

カールは次に、この格子細工に沿って、細胞株を成長させなければならなかった。最初は、自分の幹細胞を採取するか、あるいはマウスの癌細胞を使用したかったという。だが、この両方のアイデアは安全上の問題を伴うため、カールと科学者らは、骨髄から抽出したヒト間葉幹細胞を使用することに落ち着いた。ちなみにヒト幹細胞はオンラインで購入可能だ(間葉とは、個体発生のごく初期に生じる非上皮性組織のこと)。

現在カールは、この細胞を培養しているところで、この格子細工に沿って細胞を成長させることがプロジェクトの次のステップとなる。上のギャラリー画像では、バイオリアクターの中にある手のほか、格子細工の様子などを拡大して確認できる。

このプロジェクトが終了したら、カールは手のつくり方をDIYサイト「Instructables」に投稿するつもりだという。

身体を再生できるものにするには、まずはそれらをバラバラにする必要がある。カールの作品では、この基本的な事実が、恐ろしいほどの美しさを帯びて表現されている。