「好奇心」がリーダーシップにもたらす4つの効果

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私は先日、リーダーシップに関するあるシンポジウムに出席した。そこでは、パネリストとして参加した地元のリーダーたちに、リーダーシップについての見解を問うための、幾つもの質問がなされた。その中で「あなたが理想とするリーダーの資質を1つ挙げるとしたら?」という質問に対する彼らの答えは、驚くべきものだった。

6人のパネリストに共通した応えは、高潔さや意思決定能力、信頼と正直さ。もちろんこれらも重要だが、誰ひとりとして、謙虚さや好奇心に言及しなかったのだ。これまでの幾つもの調査で、リーダーには謙虚さと好奇心がきわめて重要であることを示す結果が示されているというのに。

好奇心を持ってものを尋ねることは、人に教えを請うことでもあり、好奇心と謙虚さは密接に関係している。その好奇心がリーダーシップに及ぼす4つのプラスの影響を挙げてみる。

能力を増幅させる

”知りたがる”ということは、今ある知識と、有能な人物になるために知る必要があることの間に知識の格差があることを意味する。物事の文脈を欠いたり、コミュニケーション・プロセスの不備で知りたいことへの答えが得られないことは、努力の重複や期限超過につながる。

逆に、情報の共有は人々の疑問に答えを提供し、彼らの仕事の能力を増幅させる。詳細な情報がなくても、方向性や指針を示すだけで十分に、人々が自信を持って意思決定を下せるだけの環境を提供し得る。

新しいものを生み出す

効果的な質問をする上で必要なのが、謙虚さと自信のバランスをとることだ。自分が全ての答えを知らないことを認識するだけの謙虚さと、それを認めることができるだけの自信が必要だ。しかし残念なことに、謙虚さも好奇心も、リーダーシップにおいては”弱さ”と見られることが多い。幹部や重役は知識の欠落を認めるべきではないと。

だが、現状からは何も新しいものは生まれない。革新も気づきも、問題解決も価値の創造も、さらなる探査を駆り立てる問いかけをせずには生まれないのだ。たとえば故スティーブ・ジョブスは、決して決めつけを行わなかった。彼はどんな問題にも旺盛な学習欲をもって取り組み、そのためには質問もした。経営学者ジム・コリンズも、最も有能なリーダーたちは謙虚さと強い決意をあわせ持っているとしている。

成長を促す

スタンフォード大学の教授で「『やればできる!』の研究/能力を開花させるマインドセットの力」の著者であるキャロル・ドゥエックは、優れた成果をあげる人とそうではない人の違いは、マインドセットが「硬直型」か「しなやか型」かにあると発見。硬直マインドセットの人は、人の能力は生まれつき決まっていると考え、しなやかマインドセットの人は、能力は努力次第で伸びると考える。

ここで成長を促すのが好奇心だ。硬直マインドセットの人は、答えが見つからないとすぐに諦めるが、しなやかマインドセットの人は答えが見つかるまで、問いかけを続けて答えを探し続けるからだ。

適応能力をはぐくむ

人にものを尋ねることは、新たな可能性を探求し、当たり前になっていた偏見や思い込みを掘り起こして”新しい角度”から見るための対話を促す。好奇心がなければ、新たに適応する「対象」がない。

好奇心は力強いリーダーシップを実現するのに役立つ。「○○をより良く実践するにはどうしたらいいか」という問いかけは、その前に「私たちはそもそも、なぜ○○をするのか」という問いかけがなければ役に立たない。

結果を重視することは大切だ。だが”正しい”問いかけをすることは、あなたを確実に正しい道に進ませてくれる。