韓国国内で見かける自動車はほとんど韓国ブランド、日本メーカーの自動車は見かけない、という話をよく耳にするが、実際のところは果たしてどうなのか。中国の自動車メディア・太平洋汽車網は29日、日本車が必ずしも韓国国内において排斥されているわけではないとする記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)amadeustx/123RF)

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 韓国国内で見かける自動車はほとんど韓国ブランド、日本メーカーの自動車は見かけない、という話をよく耳にするが、実際のところは果たしてどうなのか。中国の自動車メディア・太平洋汽車網は29日、日本車が必ずしも韓国国内において排斥されているわけではないとする記事を掲載した。

 記事は、韓国人が自動車を買う際には、販売員がしばしば「大韓民国の尊厳を守るために、韓国車をお選びください」と話してくる、という伝聞を紹介。「政府の補助と民衆の溺愛により、韓国系自動車は急速に発展し、わずか30年ほどで現代・起亜グループは世界5番手の自動車グループに成長した」と説明した。

 その一方で、「街を埋め尽くす韓国車は、必ずしもすべてが『愛国』のためという訳ではなく、単に値段が安いからという理由に過ぎないこともあるのだ」ともしている。

 そして、韓国市場における日本車の境遇について言及。確かに排斥やボイコットといった状況に遭ってきたものの、日本車が韓国において「とても落ちぶれている」訳では決してなく、輸入車全体の11.9%を占めていることを紹介した。また、韓国人スターが日本メーカーのイメージキャラクターを拒否する事例が起きているが、これも「決して日本車の韓国における販売を困難にしていることを意味しない」とし、「実際のところ、韓国人は実に矛盾しているのである」と論じた。

 記事はまた逆に、日本における韓国車の境遇にも触れている。「日本ではほとんど韓国車を見ない」という日本のネットユーザーのコメントを紹介するとともに、「韓国車の特筆すべきは価格が日本より安く、生産量が多いことだけ。韓国車を買わない原因はとりわけ簡単。韓国車に、買うだけの理由が見つからないからだ」と日本のネット上で論じられていることを伝えた。

 決して安くない消費活動である自動車の購入において、どれほど消費者の「愛国心」が働くものなのか。購入する商品を決める最大の理由は、品質や安全性に対する信頼性だろう。続いて価格や機能性や乗り心地が続くのではないか。「愛国心」を最大の理由に、品質の面で外国車に劣る自動車を購入して故障が頻発したとしても、国や社会が相応の補償をしてくれるわけではないのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)amadeustx/123RF)