上海のアイドルグループ、SNH48の一部のメンバーが日本のメディアやアイドルファンによって「4000年に1人のアイドル」とか「4万年に1人の美少女」などと高く評価されている。なぜ日本人は中国のアイドルに注目するのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 上海のアイドルグループ、SNH48の一部のメンバーが日本のメディアやアイドルファンによって「4000年に1人のアイドル」とか「4万年に1人の美少女」などと高く評価されている。なぜ日本人は中国アイドルに注目するのだろうか。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本で高く評価されているアイドル中国の芸能界でも順調に活躍の幅を広げていることを紹介、確かにその容貌は美しいとしながらも、日本人は中国の美少女たちの容貌を高く評価し過ぎているのではないかと主張する記事を掲載した。

 記事は4000年あるいは4万年に1人という日本における表現に首をかしげ、例えば日本のアイドルファンが「2番目に登場した4000年に1人の美少女」に対して「1秒1秒輝きを放っている」と評価するのは「大げさ」だと指摘。また「4万年に1人の美少女」についても「美しいことは美しいが4万年に1人という評価はどうだろうか」と指摘、つまり評価の仕方が誇大であるという見方を示した。

 また日本のメディアが日本のアイドルに対しても何千年、何万年に1人の美少女という表現を好んで用いていると指摘。記事は日本の美少女を紹介、彼女たちの美しさを称賛したが、しかし何千年また何万年に1人という圧倒的な評価を受けるに値する美少女はいないという見方を示した。

 もちろん、何千年に1人の美少女という評価はすべてのアイドルファンの見方を代表するものではない。あるアイドルファンにとってはそうした評価がまさにふさわしいと感じるアイドルであっても、別のアイドルファンにとってはそうでもないというのが実情だろう。

 「何千年に1人の美少女」というフレーズには人々を振り向かせる、あるいは少なくとも一瞬は振り向かせる強い力がある。日本ではこのフレーズが「美少女」であることを強調するための「決まり文句」として使われているが、中国ではその意味が正面から捉えられ、困惑している様子が見て取れる。「4000年に1人のアイドル」と称されたSNH48のあるメンバーがネット上で一躍有名になったのは、本人の容貌の美しさもさることながら、このフレーズの力によるところも大きかったのではないだろうか。

 言葉には大きな力がある。それは誰もが認める点であり、だからこそコピーライターのような職業も存在する。しかし今後「何千年に1人の美少女」というフレーズが人びとの心を捉えることは難しくなるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)