突然の入院! いくら必要? 知っておきたい手続きとは

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「まだ若いし、元気だし、この前の健康診断でも問題なかったから大丈夫!」なんて、入院は他人事だと思っていませんか? でも急に体調を崩したり、ケガをしたりして、突然入院することがあるかもしれません。今回は、突然の入院に備えて知っておきたい費用についてまとめてみました。

■入院っていくらかかるの?

急に入院するとなったとき、「いつ退院できるの?」「仕事は続けられる?」などさまざまな不安が頭をよぎるはず。でも一番心配なのは、入院費や治療費など、お金の問題ではないでしょうか。

最初に、入院時にかかる総額について見てみましょう。公益財団法人 生命保険文化センターの平成25年度調査によると、入院時の1日あたりの自己負担額でもっとも多い回答は「1万円〜1万5000円未満」(26.2%)でした。平均は2万1000円となっています。

また、同調査によると1回の自己負担費用の平均は22.7万円という結果も出ています。病気や入院日数にもよるので一概には言えませんが、1回の入院でだいたい23万円かかる、というのは覚えておいたほうがいいでしょう。

●入院にかかるお金

・1日あたり自己負担平均2万1000円

・1回の入院の自己負担費用平均22.7万円

■病院にお金を払うタイミングって?

とはいえ、「そんなに高額なお金を急に支払えない」という人もいるはず。中には「退院までに用意しておけばいいんでしょ?」とのんびり考える人もいるかもしれませんね。でも入院したときに病院にお金を払うタイミングは「入院時」「毎月の精算日」「退院時」の3回あるのです。

■入院時に用意するお金

多くの病院が、万一のトラブルに備えた保証金として入院時に5万円〜10万円の「入院保証金」を預かります。病院に預けているのだから、退院時に戻ってくる、と思うかもしれません。しかし、退院時に支払う医療費と相殺で精算されるため、戻らないと考えたほうがいいでしょう。

■最初の精算日にはいくら用意しておけばいい?

入院中の医療費は月単位で精算します。精算日は翌月の10日が多いようです。請求される金額は、診察代、検査代、手術代といった医療費のほか、パジャマのレンタル代などです。では、翌月の清算日には、いくらくらい用意しておけばいいのでしょうか。「入院保証金として10万円を支払ったら貯金がピンチ。とても翌月に入院費なんて払えない」と、重たい気分になる人も多いことでしょう。1カ月程度の入院ならまだしも、長期入院となったら、さらにお金に関する心配は募ります。

でもご安心を! 日本の健康保険には「高額療養費制度」という制度があり、個人が負担する医療費に上限を定めているのです。でも、黙っていてもその制度を利用することはできません。利用には手続きが必要となります。

●高額療養費制度を利用しよう

高額療養費制度を使うためには、「限度額認定証」が必要です。限度額認定証の請求方法は、健康保険証に記載されている窓口へ問い合わせを。健保に加入している場合なら郵送で手続きができます。認定証を入手したら、翌月の清算日に間に合わせるために、月末までに病院に提出するのをお忘れなく。

自己負担分の上限の金額は、年齢と収入で決まります。例えば、70歳未満で、標準報酬月額が28万円〜50万円である人の場合、自己負担限度額は8万100円+(総医療費−26万7000円)×1%。約8万円とみておけばいいでしょう。そのほか、入院食代、パジャマ代などの諸経費が約3〜4万円かかるため、最初に支払う入院費として合計12〜13万円ほど用意しておけば安心です。

■医療費以外にもお金はかかる! 「差額ベッド代」って?

翌月に支払う入院費のために、12〜13万円ほど用意しておけばいい……と紹介しましたが、これはあくまでも「差額ベッド代」が不要なときの話。場合によっては「差額ベッド代」を請求されることがあります。

差額室料(差額ベッド代)とは、健康保険適用の範囲外で患者に請求される病室の費用のこと。基本的に、1人〜4人の部屋に入院した時にかかる費用だそう。厚生労働省調査によると、平成24年の差額ベッド代の1日平均額は5829円。つまり、10日入院すると約6万円、20日入院すると約12万円が必要となってくるのです。

ここで覚えておいてほしいのは、「差額ベッド代」は支払わなくてもいい場合がある、ということ。病院は、「患者側から同意書による同意の確認を行っていない場合」「患者本人の”治療上の必要により差額ベッド室に入院した場合”」「病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらないとき」は、患者側に差額ベッド代の料金を求めていけないことになっています。

入院時はいろいろな書類を提出しなければならず、差額ベッドの同意書も中に含まれているかもしれません。同意書にサインしてしまうと、差額ベッドの費用を支払わなければならないため、書類の内容チェックはしっかりしておいたほうがいいでしょう。

■加入している医療保険の内容もチェックしよう

民間の医療保険に加入しているという場合は、そこから給付金が支払われます。現在は、入院1日目から給付金が発生する保険がほとんどですが、実際にいつから給付金が発生するのか事前に確認しておいたほうが安心ですね。また、1入院あたり何日間給付が受けれるのかの確認も大切です。

■収入が途絶えたら……「傷病手当金」について知っておこう

入院して、仕事ができなくなったら給料が支払われなくなり、収入が減ってしまうことも。今後の入院費の支払いにも影響する大問題ですが、そんなときに頼りになるのが、公的医療制度の中にある傷病手当金です。

これは、業務外の病気やケガのために仕事を休み、給料が支払われなくなったり減ってしまった場合、その間の生活保障をしてくれる制度です。連続3日間欠勤すれば、4日目から傷病手当金が支払われます。手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6カ月。入院となったら、すぐに申請したほうがいいでしょう。

■まとめ

●入院したらかかるお金

・入院時・・・・・・「入院保証金」として5万〜10万円ほど預け入れる

・毎月の精算日・・・・・・翌月の10日であることが多い。できたら高額療養費制度を申し込もう。最初の支払いは12〜13万円を目安に用意しよう

・差額ベッド代・・・・・・1日平均5829円かかる。差額ベッド代は払わなくてもいい場合があるので、病院に提出する書類にサインするときは慎重に。

●入院したらチェックしておきたいこと

・加入している医療保険をチェック

・入院によって収入が途絶えたら「傷病手当金」を申請しよう

入院になったらすぐに行うべきこと、いかがでしたか? せっかく病気やケガを治すために入院したのに、お金のことが心配で心配で、治療に専念できない……なんてもったいない話です。入院で必要な申請や手続き、差額ベッド代についての理解を深めておけば、いざ入院となったとき、ムダな出費を抑えることができますよ。

(松原圭子/フォルサ)