マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道建設計画の受注競争において、勝利を手にするのはどの国だろうか。中国メディアの観察者網は26日付の記事で現在各国が「陰で力比べをしている」と説明している。(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)

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 マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道建設計画の受注競争において、勝利を手にするのはどの国だろうか。中国メディアの観察者網は26日付の記事で現在各国が「陰で力比べをしている」と説明している。

 記事は「韓国はクアラルンプール市内の大型デパート内に、KTXを展示するための専用スペースを設けた」と紹介。これにはKTXに対するクアラルンプール市民の認知度や好感度を向上させる狙いがあると思われる。

 さらに「日本側は自国の高速鉄道技術をPRするにあたり、いつも安全性を強調している」と指摘しつつ、これには中国高速鉄道の安全性に対する疑いが暗に含まれていると主張した。さらに4月29日に日本側とマレーシア陸路交通局が高速鉄道のフォーラムを開催したこと、また5月5日から日本側がクアラルンプール市内最大のデパートで1カ月間の新幹線展示会を行っていることも紹介した。

 記事は日本側のPRが中国との競争を強く意識したものであり、中国の技術に対する日本のアドバンテージを意図的に強調しているという見方を示しており、新幹線に対して強い警戒感を示している。

 一方で中国側は5月24日に中国鉄路総公司の盛光祖総経理が中国鉄路代表団を率いてマレーシアを訪問し、盛総経理が「先進技術、安全性と信頼性、コストパフォーマンスの高さ、建設速度の速さ」が中国高速鉄道の強みであると主張したことを説明した。

 前出のように中国側は、日本側のPRには中国技術の評価を落とす狙いがあると見ている。したがって5月24日の訪問の際、当然中国側はマレーシアに対して中国の技術には問題がないと主張したと考えられる。今回の代表団は以前にないような「強大な陣容」だったと中国メディアは説明していることからも、中国側の受注に向けた意欲が読み取れる。

 さらに記事は、中国には他国にはない長方形の切削面を持った「異形シールド機」を有しており、これがシンガポール地下鉄のトムソン・イーストコースト線建設の受注成功につながったと紹介。一部資料によれば切削面が矩形のため、工期を大幅に縮小することができ、また切削後のトンネル内施行のコストも抑えることができる。同記事は中国高速鉄道にとって、新幹線が最大のライバルになると見ているようだが、真の競争はもう始まっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)