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火山活動によって形成された地形が世界遺産に登録されているケースは少なくありません。地球の生成の歴史の解明につながるほか、ダイナミックな景観をもつということから、自然遺産として登録されることがほとんどです。一方で、火山と関係ありながら文化遺産として登録されるケースもあります。そのひとつが、イタリア・ナポリ近郊の海岸沿いに位置する「ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区」です。

○『テルマエ・ロマエ』を想起される風景

「ポンペイ」という古代ローマ都市の名前は聞いたことがあるかと思います。紀元79年、ヴェスヴィオ火山が大噴火を起こし、1万人も暮らしていた都市が一晩で消滅してしまったのです。その後18世紀に至るまで、完全に火山灰の中で時を止めていました。本格的な発掘が始まったのは18世紀半ばで、ナポリ王でもあったスペイン王が宮殿を飾り立てる装飾品目当てで命じたとも言われています。

ポンペイ遺跡は現在、主要な部分が有料で一般公開されています。2000年近い前の人々の生活をリアルに想像することができます。漫画『テルマエ・ロマエ』のような世界がここで繰り広げられていたのだろうなぁ、と。建築物の壁に残された落書きもとても鮮やかです。

2016年は日本とイタリアの国交樹立150周年にあたり、それを記念してさまざまなイベントや展示が行われていますが、その一環として現在東京の六本木で「世界遺産 ポンペイの壁画展」が開催されています(東京の後は名古屋、兵庫、山口、福岡へ巡回予定)。こんなに大きな壁画をよく日本に運んだなあと驚きました。古代ローマの人々が日常的に目にした光景が目の前に広がります。ワインの神様であるディオニュソスを描いたものがいくつかあったのですが、いかにもイタリア的でした!

○世界遺産データ

ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区。文化遺産。1987年登録。イタリア

○地図

○筆者プロフィール:本田 陽子(ほんだ ようこ)

「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。
○世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催:世界遺産アカデミー
開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地:全国主要都市
受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円
解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて

(本田陽子)