中国は世界の工場として世界中に安価な製品を大量に供給してきた。数多くのメーカーが中国に生産拠点を置いたことから、一部では「中国が自国の雇用を奪っている」という批判も見られたが、その中国も近いうちに「雇用を奪われる側」になりそうだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国は世界の工場として世界中に安価な製品を大量に供給してきた。数多くのメーカーが中国に生産拠点を置いたことから、一部では「中国が自国の雇用を奪っている」という批判も見られたが、その中国も近いうちに「雇用を奪われる側」になりそうだ。

 中国メディアの中国新聞網はこのほど、人件費高騰による中国製造業の競争力低下について解説する記事を掲載し、大手通信機器メーカーである華為技術(ファーウェイ)や世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業であるフォックスコンといった企業も中国からの逃げ出す可能性があると報じた。

 記事は、中国の家電メーカー創業者の言葉を引用し、「製造コストの高さが競争力を粉砕する」と伝え、製造コストは製品の競争力を決める大きな要因であることを指摘。今まで中国は人件費の安さを武器に、世界の工場としての地位を確立し、経済成長につなげてきた。しかし高騰を続ける人件費がメーカーの経営すら圧迫するようになっている。

 報道によれば、2015年におけるベトナム人の平均月収は149.9ドル(約1万6500円)だったが、中国人の平均月収は325.6ドル(約3万5900円)となり、もはや中国で生産する最大のメリットはほとんど失われてしまった状況だ。

 このような状況下で、日本メーカーは自国へ引き上げるか、もしくは東南アジアなどの人件費の安い地域へ移転し始めているが、中国メーカーでさえも自国を離れてインドなどへの移転を始めている。中国にとって製造業は莫大な雇用の受け皿だが、フォックスコンはすでに労働者をロボットに置き換え始めている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)