内田が語る復活への思い「普通の社会人なら10年何もしてないのと一緒」

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 日本代表の事前合宿に参加していたDF内田篤人(シャルケ)が合宿最終日となった29日の練習後、報道陣の取材に対応した。

 昨年3月31日のウズベキスタン戦を最後に実戦から遠ざかっている内田は昨年6月に右膝膝蓋腱の手術を受けたが、今シーズン中の復帰を果たせず、全公式戦を欠場。「ちょっとずつ良くなっているけど、(14年のブラジル)W杯である程度負担がかかるのは覚悟していた。ちょっと長引いているけど、難しいケガなのでしょうがない」と現状について語った。

 ハリルホジッチ監督は「ケガの状態を直接見たいと思って呼んだ。グループに加わることで良い雰囲気になるし、彼らもグループに戻ってきた喜びを表している」と、内田、FW武藤嘉紀(マインツ)、MF山口蛍(ハノーファー)というリハビリ組を事前合宿に招集した意図を説明したが、内田自身も「一人でリハビリをやるより、外でみんながサッカーをやっている中、同じグラウンドでやらせてもらえるのはありがたい」と感謝する。

 別メニューでの調整とはいえ、ピッチ上でハードなメニューをこなす選手たちに時折、笑顔で“野次”を飛ばすシーンもあり、「リハビリを暗い顔でやってたら死んじゃうから」と明るく努めた。

「サッカー人生が懸かっているケガ」と話す内田は復帰時期について「もちろん来シーズンの頭を目指しているけど」としながらも、「みなさんも見て分かるように、まだ走れていない。ちゃんと歩けるように、ちゃんと走れるようにならないと。筋力も戻ってこないと、繰り返しのケガになる」と慎重な姿勢を崩さない。

 1年以上、公式戦から遠ざかっている状況に焦りや不安がないわけではない。「サッカー選手自体、現役でやれる時間が少ない中で、1年、2年を無駄にするのは、普通の社会人で言えば10年ぐらい何もしていないということ。取り返すのは大変だけど、やらないといけない」と、率直な胸の内を語った。

「治るケガだと聞いているし、治らないと終わっちゃうから。しっかり復活したい。W杯の負担もあったし、チャンピオンズリーグもあった。休むつもりはなかったし、ある程度こうなることは覚悟していた。あのとき休んでおけば、という思いはない」

 過去を振り返ることも、後悔もない。「今は手術したところが痛いわけじゃない。その周り。復活できると思う」。自分に言い聞かせるように話した28歳の右サイドバックは「(プレシーズンに)中国でキャンプがあるのかな。正直、そこには間に合わなくてもいいかなと思っている。自分のペースでやりたい。(EUROの影響でブンデスリーガの)開幕がちょっと遅い。だからチャンスがあるかなと」と、来季開幕を目指して懸命なリハビリを続けていく。

(取材・文 西山紘平)