中国が高速鉄道の輸出を推進していることは周知のとおりだが、輸出事業は必ずしも順風満帆というわけではない。メキシコでは一旦は受注が決まったものの、入札過程に問題があった可能性があるとして、メキシコ政府は計画の無期限延期を決めたほか、ベネズエラでも計画はほぼ頓挫状態となっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国が高速鉄道の輸出を推進していることは周知のとおりだが、輸出事業は必ずしも順風満帆というわけではない。メキシコでは一旦は受注が決まったものの、入札過程に問題があった可能性があるとして、メキシコ政府は計画の無期限延期を決めたほか、ベネズエラでも計画はほぼ頓挫状態となっている。

 また、タイでも一時はコメと高速鉄道を「物々交換」することで合意したが、タイはその後、中国からの資金提供を受け入れず、自国の資金で一部区間を建設し、そのほかの区間は延期することを発表した。

 中国では自国の高速鉄道技術に対して、「世界をリードする水準にある」などと高らかに主張しているが、輸出事業が順調ではないことに対し、中国共産党機関紙・人民日報はこのほど、「中国高速鉄道の輸出には確かな技術だけでなく、誠意も必要だ」と論じている。

 記事は、中国高速鉄道に対して、「絶えず革新と発展を続けたことで、中国は高速鉄道システム全体としての知的財産権を持つに至った」と主張し、営業速度や営業距離、さらには安全面にいたるまで世界をリードする水準にあるとの見方を示した。

 一方、中国高速鉄道の世界に向けた歩みは「順風満帆ではない」とし、世界経済の成長が鈍化するにつれ、日本や韓国、欧州の一部の国は新たな経済成長の柱として高速鉄道の輸出に力を入れ始めていると主張。こうした国々と市場を争ううえで、中国高速鉄道は技術だけでなく、誠意をもって相手国の政府と国民に対応する必要があると論じた。

 中国メディアの新浪によれば、中国がベネズエラから受注し、2009年に建設が始まったベネズエラのティナコ-アナコ間の高速鉄道建設計画は現在、「ほとんど放棄された状態」だ。どのような理由であっても、このような状況は「誠意がある」対応とは言えないだろう。国同士のビジネスにおいて、自国の国益を考えるのはごく自然なことだが、自国の国益を最優先するよりも相手国の利益を最大化することこそが重要ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)