韓国の次期大統領選挙で、国連の潘基文事務総長が有力候補として存在感を増している。韓国内でも潘氏は“ポスト朴槿恵”を狙っているとの見方が強まっている。写真は韓国の大統領府。

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2016年5月28日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の後継を争う来年末の次期大統領選。4月の総選挙で与党が過半数割れに追い込まれる中、有力候補として国連の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が存在感を増している。潘氏も大統領選出馬に意欲をのぞかせるなど、韓国内では“ポスト朴”を虎視眈々(たんたん)と狙っているとの見方がもっぱらだ。

潘氏は、韓国中西部の忠清道出身。1970年にソウル大を卒業して外交官試験に合格。外交部米州局局長、駐米公使、国連大使などを歴任し、2004年1月、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の外交通商相に任命された。

外交通商相在任中の06年2月、国連事務総長選挙に立候補。翌07年1月、第8代事務総長(任期5年)に就任した。11年に再選され、現在2期目。任期は今年末までで、来年12月の次期大統領選には準備期間を含め、タイミングが合う。

韓国メディアで次期大統領候補として取りざたされているのは潘氏のほか、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、第二野党「国民党」の安哲秀(アン・チョルス)代表ら。韓国の大統領は1期5年までで、朴大統領は立候補できない。

人権派弁護士出身の文在寅氏は、盧武鉉・元大統領の側近。12年の大統領選挙では「野党単一候補」として立候補したが、朴槿恵氏に僅差で敗れた。朴元淳氏は革新・リベラル的な政策で人気が高い。安哲秀氏は清新なイメージがあり、12年の大統領選に立候補を表明したが、野党候補一本化のために立候補を辞退。その後、国会議員となった。

一方与党「セヌリ党」では金武星(キム・ムソン)代表が立候補に意欲を示していたが、総選挙の敗北で代表を辞任して大きく後退。人材難が深刻とされ、党内からは「大統領選に挑戦するかは半々だが、わが党としては『潘基文カード』に期待を寄せている」などの声が出でいる。国民の間でも「立身出世の鑑(かがみ)」「世界の大統領を務めた人物」として、潘氏の待望論が高まっている。

韓国CBS放送によると、潘氏の存在感は4月の世論調査でも確認された。潘氏と文在寅氏の対決は潘氏42.3%、文氏42.8%とわずかな差だが、潘氏と安哲秀氏では潘氏41.0%、安氏32.3%と10 ポイント近い差が開いた。聯合ニュースが伝えた今年2月の次期大統領候補の支持率調査でも、潘氏が28.3%で1位。2位は文在寅氏(17.9%)、3位は朴元淳氏(10.5%)、4位は金武星氏(8.6%)の順だった。潘氏の当選の可能性を尋ねる調査でも、31.5%を獲得して1位となった。

韓国・ニューシスによると、潘氏は25日、済州島で開かれた討論会に出席。大統領選出馬に関する質問を受け、「私が大統領になるといったことはこれまで考えたことがない」としながらも、「10年間国連の事務総長を務めたので、期待があることは頭に置いておく」とも述べ、出馬の可能性を否定しなかった。(編集/日向)