トゥーロン国際の4試合にフル出場した植田。無失点試合がひとつもなかったことを心の底から悔いていた。(C)Getty Images

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 怒りにも似た歯がゆさに、植田直通は包まれていた。
 
 5月27日のイングランド戦に敗れ、U-23日本代表は1勝3敗でトゥーロン国際大会を終えた。しかも、無失点ゲームはひとつもない。チームでただひとり全4試合にフル出場したCBが、結果に納得できるはずはなかった。
 
「この大会では簡単なミスでやられている印象があって、簡単なミスでやられているようでは、上では戦えない。イングランドなんて全然弱かったですし、今日ぐらいの相手だったら完封して勝たないといけないですし。簡単なミスをなくしていかないと、これから上にはいけないと思います」
 
 最終ラインは急造だった。第1戦で岩波拓也と亀川諒史が負傷し、1月の五輪アジア最終予選に出場したDFは、植田ひとりとなってしまった。
 
 それも、言い訳にはしない。自らを責める。
 
「いつもあんまり一緒にやっていないとか、そんなのは関係ないので。ピッチに立ったらなんでも言い合わなきゃいけないし、僕自身、ディフェンスリーダーとしてもっと声を出さなきゃいけなかったかもしれません」
 
 チームの強みとなってきたCBのトリオは、崩壊の危機にある。奈良竜樹は五輪出場が絶望視され、岩波も復帰は6月下旬予定だ。コンディションがどこまで回復するのかに、疑問符がつく。
 
 チームが危機に直面しているからこそ、植田は厳しい言葉を発した。
 
「みんなこの大会に対して、勝ちたいという思いが弱いと感じていました。最終予選のようになにをかけていないとやる気にならないようでは、全然ダメだと思います。こういう機会を大事にしないと、オリンピックで痛い目に遭う。そういうところを僕が気づいたなら、もっと口に出して言っていかなきゃいけなかったかもしれません。僕は言葉で伝えるのではなく、プレーで示したいと思っていますが、今日のイングランド戦にしても、もっと僕自身は戦わなければいけなかったと思います」
 
 誰かを責めるつもりなど、もちろんない。あるはずがない。リオ五輪への危機感が、彼を衝き動かしている。