魏・呉・蜀と聞けば、多くの日本人が中国の「三国時代」を容易に想起する。劉備や曹操、諸葛亮といった名前を知らないという日本人も多くはないだろう。それだけ日本には「三国文化」が浸透しているのだ。中国メディア・和訊は27日、日本における「三国文化」について紹介する記事を掲載した。

 記事は、日本で書店をぶらぶらしていると「中国からやってきた作品は決して多くないのに、『三国演義』や三国時代に関わる著作が100種類は並んでいることに気付く」と説明。現代小説調にアレンジされたものから青少年向けのマンガまで存在し、近年では「三国志」のゲームが大人から子どもまで人気を集めており、中国で発売されている関連ゲームの大部分も日本からやってきたものであると伝えた。さらに、「マーケティング開発における孔明の兵法」、「三国志の人間学」といったような実用書が大量に出回っており、中国の古典文化と日本の現代経営理念が見事に融合していると紹介した。

 また、全国には三国志ファンが多数存在し、自発的なファンクラブ組織が100はあると紹介。日本人が最も感動する三国志関連のエピソードは「桃園の誓い」であり、サラリーマンが過労死する背景には「死ぬまで全身全霊をかける」という諸葛亮の「出師の表」に出てくる姿勢の影響がある、との見方もあるとしている。

 さらに、三国時代の日本への影響は「呉服」と称される和服にまで見られると紹介。日本人は呉の国の首都だった南京を訪れると、孫権ゆかりの場所を訪れるほか、当時の地名だった「建業」(現在の業には「おおざと」が付く)が今もなお使用されていることに感激する人もいた、と伝えている。

 横浜中華街に商売の神様として蜀の名将・関羽を祭った関帝廟が存在する。われわれの日常生活において三国時代のエッセンスはいたるところに存在する。今もなお、異国の古典文学が日本において愛され続けているのは、吉川英治をはじめとする作家たちによる大衆小説化、横山光輝をはじめとするマンガ・アニメ化、そして記事でも触れられているゲーム化が果たした役割が大きいと言えるだろう。今後も、名だたる豪傑たちが大いに活躍した三国時代の物語が、中国そして日本において語り継がれていくに違いない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Sean Pavone/123RF)