便秘に悩み、市販の便秘薬や下剤に頼る人は多い。便秘は一般的に3日を超えて排便がなかったり、1日の便の量が35グラム以下の状態を言う。
 5年前の国民生活基礎調査によると、便秘の人は男性で2.4%、女性では5%。その傾向は、高齢者になるほど増えると言われる。
 「中には便が出ないことが気になって、仕事が手につかなくなるなど、生活に支障が出る人もいます。便を肛門まで押し出す腸の動きは、自律神経によってコントロールされている。そのため、ストレスや睡眠不足などで自律神経が乱れ、副交感神経の機能が弱まると、便秘になりやすくなるのです」(専門医)

 また、排便の我慢を繰り返すと直腸の反応が鈍くなり、便がたくさん溜まらないと便意を感じなくなってしまう。こうなると、“どうしても便を出したい”と下剤を飲むようになる。ただし注意しなければならないのは、便が出ないからといって、長い期間、下剤を飲み続けると逆効果をもたらすのだ。
 「腸に炎症が起こり、働きが鈍ってしまうからです。ダイエット目的で下剤を飲み、便秘になってしまう場合もある。毎日排便しないとダメと考えている人もいますが、3日に1回排便できれば問題ないのです」(同)

 下剤の使い方について、東京多摩総合医療センター総合内科外来担当医は、次のように語る。
 「下剤がどのように働くかを考慮すれば、便の硬さに応じて調整すべきであることが分かります。つまり、硬ければ下剤を増やし、軟らかければ減らすといった方法です。通常は『○日排便がなければ下剤を使う』など、便の回数に応じた下剤の使用法が一般的だろうと思います。もちろんそれで便が出ていれば、あえて変更する必要はありません」

 問題は、下剤を使ってもうまく便が出ない場合だ。そんな時は、それぞれの状態に合った下剤の使い方を見つけるためにも、排便日誌のようなものをつけることも改善の一つだという。
 「排便日誌には、便が出た時間と量、さらに、できれば形状を記録する。加えて、下剤を飲んだ場合は、何時に何をどれくらい飲んだかの記載も必要。これを最低2週間から1カ月続け、その記録をもとに下剤調整を行います」(前出・専門医)

 その際、下剤には「緩下剤(塩類下剤)」と「刺激性下剤」の2種類があることを知っておくべきだという。例えば、酸化マグネシウムは塩類下剤とも呼ばれ、大腸における水分の吸収を抑制する。つまり、便に含まれる水分が多くなるため、軟らかくする作用がある。
 一方の刺激性下剤は、大腸のぜん動運動を活発にささせ、腸の内容物の移動を促す。