中国メディア・新華網は23日、日本で深刻な社会問題となっている学校の「いじめ」について解説するとともに、中国の有識者の見解を紹介する記事を掲載した。

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 中国メディア・新華網は23日、日本で深刻な社会問題となっている学校の「いじめ」について解説するとともに、中国の有識者の見解を紹介する記事を掲載した。

 記事は、日本の学校における「いじめ」が1980年代にはすでにクローズアップされていたこと、文部科学省が2014年に実施した調査において、13年に急速な増加が見られたことなどを紹介。学校での「いじめ」は、子どもの身体的、精神的な成長に悪影響を与えるとともに、自尊心や自身の破壊、その後の人生において暗い影から脱することができなくなるといった危険性があると指摘した。そして、一部の学生が「いじめ」の苦痛に耐えかね、自殺を選択するケースすらあるとした。

 そのうえで、アモイ大学の日本文化研究者・黄少光氏が「学校でのいじめは深刻化、過激化している。いじめの形式は多種多様で、身体的な暴力から無視などの冷たい暴力、さらにはネット上での暴力などにまで広がっている」と説明したことを紹介。その背景として「宿命を重んじ、自分の外にある苦難を甘んじて受け入れるべしとする日本社会の伝統的思想」の存在を指摘し、「日本人には忍耐の文化があり、それが多くの被害者に反抗できなくさせている」と解説したことを伝えた。

 また、同大学の教育学専門家・呉光輝氏が「日本社会の超安定的な構造も、いじめを多発させる要因になっている。学校教育の段階から、弱者は強者に従うことが求められ、自殺をしてでも反抗したがらない、という『弱肉強食』の階級関係がある」と説明、集団主義を重視する傾向も「個性ある子どもが、集団と異なることで排斥やいじめを受けることになる」と論じたことを紹介している。

 さらに、日本のドラマや映画を長年研究している香港大学の呉咏梅氏が、学校のいじめを取り扱ったドラマや映画が多いほか、「日本メディアが反逆・身勝手・暴力といった内容を喧伝」しており、世の中の経験が浅い生徒に誤った情報を容易に与えているという問題点について言及したことも併せて伝えた。

 「いじめ」の問題は、日本社会において今日的なテーマだ。本当にこの世から「いじめ」を撲滅したいのであれば、記事が指摘しているような日本社会に存在する伝統的な観念を本気で改める覚悟が必要だ。国内の問題は国内で議論すべきとの向きもあるかもしれないが、時には外側からの意見や提言にも耳を傾けることも大切なのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)