本田は練習後、A代表に初招集された小林について言及。強いメンタルの持ち主である点に触れつつ、「楽しみな選手」と評した。写真:サッカーダイジェスト

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 セリエAでのシーズンを終え、5月23日に帰国した本田圭佑が、同27日に欧州組のみで行なわれている代表合宿に参加した。本田と同様、この日から合流した香川真司とともに、ランニングや体幹トレーニングなど、軽めのメニューで汗を流した。
 
 練習終了後、報道陣の前に現われた本田には様々な質問がぶつけられるなか、ひと際注目されたのが、A代表に初招集された小林祐希に関するコメントだろう。
 
 今季の磐田で目映いパフォーマンスを見せているプラチナ世代のMFは、左足の正確なキックや攻撃センスが持ち味だ。クラブでは、代表での本田と同じ背番号4を纏い、「王様然」としたプレーを披露。強気なコメントや個性的なヘアスタイルなど、どことなく似通うことから、“本田2世”とも言われている。
 
 その小林はA代表初選出を受け、「良い経験をしようとか、さらさら思っていない。一切遠慮はしない。行くからには、先発を狙う」と、歯に衣着せぬ発言で注目を集めた。良い意味で“トンガって”いる小林を、本田はどう評価しているのか――。
 
「小林君とは、実はミラノで一度食事をしていて、その時が初対面でした。なにも恐れず発言するという、自分の若い時に被る部分はありますね。(宇佐美)貴史たちの世代なので、クオリティはおそらくあると思うし、強いメンタルを伴った選手だなという意味でも、楽しみな選手だと思っています」
 
 囲み取材の冒頭で、「(メンバーを)ちゃんと確認していない」と発言していたにもかかわらず、小林についてはそれなりの時間を割いて印象を語っていたことから、小林は本田の眼に留まる存在なのは確かなようだ。
 
 技術やセンスだけでなく、強烈なメンタルを兼ね備えた若きタレントの台頭に、「(自分と比べられている)世間的なことはどうでもいい。むしろ自分の発言したことを実現してほしい。そういう選手は少ないですし、希少価値が高い選手を大事にしていってほしい」とコメント。間違いなく、小林に対しては小さくない期待感を持っているようだ。
 
 一方で本田は、メンバー発表会見時の、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の発言にも言及。同監督が「本田や香川を超える選手がこの5年、出てきていない」と評した日本サッカーの現状に関連して、次のように語っている。
 
「(下から)突き上げられている感覚はない。たしかに若い選手と接する機会は増えたけれど、それは代表での話。代表だけの活動をしているわけではないし、自分より優れている人と話す機会のほうが多いから、むしろ、まだ追い越そうとしている感覚のほうが強い」
 
 A代表における世代交代の滞りが懸念される昨今、本田自身、若手の成長に物足りなさを感じているのかもしれない。と同時に、現状に満足せず、飽くなき向上心でさらに上を目指そうとしている本田は、小林ら若い世代にとっては、簡単に追い抜けない存在と言えそうだ。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)