室内でペットを飼っていると、どうしても動物独特のニオイがしてしまう。筆者の家には1匹の黒柴がおり、やはり“犬臭”を振りまきながらウロウロしているので、湿度の高い日や空気がこもったときなどは特にニオイが気になってくる。筆者のような“犬フェチ”は、そのニオイすら愛おしく思ったりもするのだが(笑)、さすがにそうばかりは言っていられない。訪問者に「臭いな……」とイヤな思いをさせるのも申し訳ないし、なによりさすがに犬フェチでも食事時にそのニオイは感じたくはない。そこで、ニオイがこもりそうな梅雨時期を前に導入したのが「脱臭機」。富士通ゼネラルの「プラズィオン」だ。

富士通ゼネラル「プラズィオン」には用途に応じいくつかのラインアップが用意されている。こちらは適用床面積〜20畳の「DAS-303E」。加湿機能も搭載。サイズは、300(幅)×276(奥行)×446(高さ)mm

右はDAS-303E。左は、加湿機能のないプラズィオン「DAS-15E」。適用床面積は〜10畳で、サイズは、174(幅)×178(奥行)×282(高さ)mmと、非常にコンパクト

このように、見た目は一般的な空気清浄機と変わらないが得意とする部分が異なり、花粉やハウスダスト、タバコ臭などに効果が高い空気清浄機に対し、プラズィオンシリーズは、アンモニア臭に特に強い効果を発揮するのが最大の特徴だ。

この家で犬を飼い始めて初めての梅雨、さらに、これまでリビングで使っていた空気清浄機が古くなったこともあり、いきなり大小2台の脱臭機を購入してしまった我が家だったが、結局、設置スペースの問題で犬の近くにはコンパクトなDAS-15Eだけを置くことに(DAS-303Eを置くと、ゲージ扉が開かないことが判明……)。設置から約1か月半。そのようすと感じた効果をレポートしよう。

空気清浄機ではなく「脱臭機」であるその理由は?

まずは、DAS-15Eの仕組みを紹介しておこう。DAS-15Eは同社のサイトでも空気清浄機ではなく脱臭機として分類しているように、生活の中で気になるニオイの消臭をもっとも得意とする製品だ。とはいえ、部屋の空気を吸い込み内部でキレイにして放出するという基本的な仕組みは一般的な空気清浄機と同じ。フィルターも装備し、集塵による空気清浄の能力も発揮する。

コンパクトかつシンプルなデザインでリビング置いても違和感がない

コンパクトかつシンプルなデザインでリビング置いても違和感がない。電気代はの目安は、弱モードで2.0円/1日、標準モードで3.1円/1日となっている

最大の違いは、消臭方法。一般的な空気清浄機は、活性炭などを利用したペーパーフィルターなどにニオイ成分を吸着させて消臭させている。これに対し、DAS-15Eでは(プラズィオンシリーズ共通)、内部に搭載する金属酸化触媒フィルターがニオイの成分を吸着し、酸化作用で化学的にニオイの元を分解するという仕組み。しかもこの金属酸化触媒は消臭効果が高いだけでなく、内蔵のヒーターで加熱することにより脱臭能力が再生するため、10年以上効果を持続できるというメリットがあるというのだ。

操作ボタンは上面に集約。機能はシンプルで、基本的には4段階の風量設定と、クイック脱臭を選択するのみ。右上の「脱臭フィルターオートクリーン」の赤ランプが点灯するとヒーターで触媒を加熱している合図。22.5時間ごとに自動で行われる(1.5時間)

正面下部と両サイドのくぼみは吸入口。このくぼみ指先を差し込めば持ち運びに利用できるが、ちょっと持ちにくい(軽いのでヒョイと持てるが)。背面上部か上面に取っ手があればよよかった

前面のパネルを外すとプレフィルターがお目見え。フィルターといっても割と目の粗いこのメッシュフィルターが1層あるのみ。大きなホコリやゴミをキャッチする程度だろう

さらに内部には、金属酸化触媒フィルターでは取りにくい微かに残ったニオイ成分を分解するオゾンユニットも搭載。徹底的にニオイの元となる原子を分解するという。また、低濃度オゾンを放出することで、部屋に染み付いたニオイにも効果を発揮。部屋干しの洗濯物やカーテン、ソファ、カーペット、壁紙などの付着臭も脱臭できるというわけだ。ちなみに使用したオゾンは、オゾンユニットの出口にある「金属酸化触媒ハニカムフィルター」により安全なレベルになているだけでなく、放出される低濃度オゾンは、再びプラズィオンに吸い込まれた時に分解されるため、室内の濃度が高まることはないという。

2か月使ってみた! ニオイはどうなった?

消臭効果についてだか、まず、使い始めた次の日から効果を実感し驚いた。日中は屋外の犬小屋で過ごす我が家の愛犬だが、夜は家の中に入りリビングをウロウロ。就寝用のケージもリビングにあり、トイレは基本外でしかしないのだが、やはりにおう。特に感じるのは、朝、愛犬が寝ているリビングのドアを開けた時。「犬くさっ」と思わず言ってしまうときもあるほどなのだが(もちろん空気清浄機は稼動)、DAS-15Eを稼動させておくと、朝、リビングがにおわないにだ。数値で表すことができず体感レベルの感想になってしまうのだが、空気がさわやかですがすがしいのだ。

しかも、運転音が大きくないのでケージのすぐ横に設置して稼動させても、最初から気にすることなくすやすやと寝ていた。仕様書には、弱運転で20db、標準運転で30dbと書かれている。たしかに、リビングでテレビを見ていてもDAS-15Eの運転音はまったく気にならなかった。

さて、常時稼動させた状態で1か月半経過したのでフィルターの掃除を……とパネルを外したところ、ちょうど冬毛から夏毛の生え変わり時期だったためだろう、毛がびっしり付着していた。こんなにコンパクトながらもしっかり部屋の空気を吸い込んでいるということに感心。しかし、ブラッシングで取り除いていたにも関わらず、スゴい抜け毛の量……(黒柴は実は中の毛は黒くない)。

プレフィルターの掃除頻度は「1か月に1度程度」となっていたが、ペットの種類やけの生え変わり時期にはもっと小まめに掃除したほうがよさそう。掃除は、この汚れを掃除機(弱モードで)でやさしく吸って取り除くだけ

なお、オゾンによる布の付着臭消臭にも高い効果が期待できるDAS-15Eは、ハンガーにかけで衣類を消臭したり、また、コンパクトなのでクローゼットの消臭にも活用できる。お風呂場や玄関(下駄箱)など、湿気が多くニオイがこもりがちな所の消臭やカビ臭対策にもおススメだ。

部屋のニオイ対策といえば空気清浄機と思う方も多いだろうが、高い消臭効果、とくにペットや人のアンモニア臭対策を真剣に考えるならば、プラズィオンを導入するのがいいだろう。赤ちゃんがいる家庭や介護の現場にも役立ってくれるのではないだろうか。脱臭効果が現れるまでの時間も早いので(公式仕様によれば、DAS-15Eでは、ペット臭は約8分、タバコ臭は約5分で消臭可能となっている/8畳の部屋でアンモニアを放散後、臭気強度が1下がるまでの減衰時間)、来客予定に即座に対応できるのもうれしいところだ。

ちなみに、「脱臭機」と銘打つ空気清浄機は、一般向け製品では今のところ本シリーズしか見当たらないようだ。


>> 犬のニオイが気になるので「脱臭機」を導入してみた -富士通ゼネラル「プラズィオン」を2か月使った結果- の元記事はこちら