サッスオーロとともに11年…伊4部から欧州の舞台へ駆け上がったマニャネッリ
今シーズンのセリエAの話題をかっさらったのは、5年連続スクデットを獲得したユヴェントスとマッシミリアーノ・アッレグリ監督だろう。8日の第37節では最下位ヴェローナに敗れて、「アッレグリ監督が緩いからこうなるんだ。歴代の名監督なら落とす試合じゃなかった」とサポーターからの怒りの声も上がったが、21日のコッパ・イタリア決勝はベストメンバーでなくとも、延長戦を制して2冠を達成し、常勝軍団の威厳を保った。
そんなアッレグリ監督が、8年前の2008年にセリエCからセリエBへと昇格させたのが、サッスオーロだ。今シーズン3年目のセリエAを6位で終えたサッスオーロは、ヨーロッパリーグ予備戦からの出場権をもぎとった。もちろんこれはクラブ史上初めての快挙。2015−16シーズンのベスト・サプライズ賞があるならば、このサッスオーロに贈りたい。
現在チームを率いるエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督は、恩師ズデネク・ゼーマン監督のサッカーを受け継ぎ、就任当時の2012−13シーズンから4−3−3のシステムでやってきた。一時は解任&再就任で約1カ月間、チームを離れたこともあったが、監督のサッカーがチームに浸透したことで、今シーズンの快挙につながったのだ。21日のコッパ・イタリア決勝の夜は街一番の大きな広場に集まり、大スクリーンで観戦。ミランの負けが決まると、欧州カップ戦への道が開かれた喜びをわかちあった。
チームを引っ張るのは、2005−06シーズンからクラブに所属している31歳のフランチェスコ・マニャネッリ。プレーでも中盤でゲームメイクをするリーダーだ。サッスオーロの快進撃とともに歩んできた男は、決して恵まれたサッカー人生を歩んでいたわけではなかったが、ここまでの道のりを振り返って胸を張った。
「キエーヴォとフィオレンティーナのプリマヴェーラで周囲を失望させた頃は、マニャネッリの名前なんて誰も知らなかった。もちろん、そんな名前のプロ選手がいるってことも。でも僕はあきらめなかった。サッスオーロに来れて、また今でもここにいられるのは運があると思っている。セリエAはプレゼントされたものじゃない。勝ち取ったものだ」
当時のサッスオーロはセリエC2(4部相当)。10年後、マニャネッリがヨーロッパを舞台に戦うプレーヤーになると、誰が予想しただろうか。
ディ・フランチェスコ監督と歩んできた日々、そしてセリエA1年目に思いをはせる。「(2013−14シーズンは)最終節で何とか残留を決めた。僕個人としても難しい時期にさしかかっていた。でも今は監督とともに周到な準備をして、ヨーロッパに挑みたい。監督の望むものは我々全員がよく知っている」とチーム一丸となっている絆の強さを強調した。
EL予備選は7月中旬から始まるため、バカンスは短くなってしまう。しかし、マニャネッリは「ヨーロッパリーグのためなら、そんなこと構わない。正しいアプローチで集中してゲームに臨まなければならない」ときっぱり言い切った。
降格危機の不安感やプレッシャーにさらされながらも、ついに手にしたヨーロッパリーグへの切符。来シーズンのサッスオーロには、今シーズンのセリエAで見せたような“サプライス”を欧州の舞台でも期待したい。
文=赤星敬子
現在チームを率いるエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督は、恩師ズデネク・ゼーマン監督のサッカーを受け継ぎ、就任当時の2012−13シーズンから4−3−3のシステムでやってきた。一時は解任&再就任で約1カ月間、チームを離れたこともあったが、監督のサッカーがチームに浸透したことで、今シーズンの快挙につながったのだ。21日のコッパ・イタリア決勝の夜は街一番の大きな広場に集まり、大スクリーンで観戦。ミランの負けが決まると、欧州カップ戦への道が開かれた喜びをわかちあった。
チームを引っ張るのは、2005−06シーズンからクラブに所属している31歳のフランチェスコ・マニャネッリ。プレーでも中盤でゲームメイクをするリーダーだ。サッスオーロの快進撃とともに歩んできた男は、決して恵まれたサッカー人生を歩んでいたわけではなかったが、ここまでの道のりを振り返って胸を張った。
「キエーヴォとフィオレンティーナのプリマヴェーラで周囲を失望させた頃は、マニャネッリの名前なんて誰も知らなかった。もちろん、そんな名前のプロ選手がいるってことも。でも僕はあきらめなかった。サッスオーロに来れて、また今でもここにいられるのは運があると思っている。セリエAはプレゼントされたものじゃない。勝ち取ったものだ」
当時のサッスオーロはセリエC2(4部相当)。10年後、マニャネッリがヨーロッパを舞台に戦うプレーヤーになると、誰が予想しただろうか。
ディ・フランチェスコ監督と歩んできた日々、そしてセリエA1年目に思いをはせる。「(2013−14シーズンは)最終節で何とか残留を決めた。僕個人としても難しい時期にさしかかっていた。でも今は監督とともに周到な準備をして、ヨーロッパに挑みたい。監督の望むものは我々全員がよく知っている」とチーム一丸となっている絆の強さを強調した。
EL予備選は7月中旬から始まるため、バカンスは短くなってしまう。しかし、マニャネッリは「ヨーロッパリーグのためなら、そんなこと構わない。正しいアプローチで集中してゲームに臨まなければならない」ときっぱり言い切った。
降格危機の不安感やプレッシャーにさらされながらも、ついに手にしたヨーロッパリーグへの切符。来シーズンのサッスオーロには、今シーズンのセリエAで見せたような“サプライス”を欧州の舞台でも期待したい。
文=赤星敬子