日本代表の事前合宿が始まり、川島永嗣も元気な姿を見せている。去年は所属クラブが決まらず浪人生活を強いられ、日本代表からも外されていたが、2015年12月にスコットランドのダンディー・ユナイテッドへの加入が決まり、再びサムライ・ブルーに戻ってきた。

だが、川島の周辺はまだ落ち着かない。ダンディー・ユナイテッドが降格したため、川島が放出されるのではないかという憶測が飛び交っているのだ。現地の報道ではクラブが1年間の延長オプションを行使しないと伝えられている。

その場合、また浪人生活を強いられる可能性もある。そうなると再び日本代表から遠ざかってしまうことにもなるだろう。

当然、報道陣からは川島に去就についての質問が飛んでいるはずだ。日本に帰ってきてから、ずっとその話題に追われているのではないか。

「いや、25日だけでしたよ。あっちで(スコットランド)そんな報道が出たらしいですからね」と川島は事も無げに言う。そしていつもどおり、プレーについて、GKについてなどの質問に熱を持って答えていった。

しかし、26日の最後の質問もやはりクラブを退団するのかという話だった。そのときの川島の態度は、これまで以上に落ち着き払ったものだった。まるで友だちに話をするかのように、にこやかに記者に語りかけたのだ。

「それはクラブだけで決められる話じゃないし、今エージェントと話をしています。それについては問題ないです」

その川島のオープンな態度に、この話題はそこで打ち切りになった。苦難を乗り越えたからだろうか、川島はまた一つ、肝が据わった頼もしさを身につけている。

【日本蹴球合同会社/森雅史】