『火星は約40万年前から氷河期を抜け出つつある』との研究結果が発表。10年間の観測データで確認

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米Southwest Research Institute(SwRI)のIsaac Smith氏らが、火星が現在、氷河期を抜け出しつつあるとする研究結果を米科学誌Scienceに発表しました。

この研究では、約37万年前から火星表面の水分が極地域方向へ氷となって蓄積しているとしています。火星の氷河期が約40万年前に終わっているという研究結果はこれまでにも発表されていましたが、今回の発表はそれを裏付けるものと考えられます。今回の研究では、過去10年間火星を観測しているNASAの探査機Mars Reconnaissance Orbiter(MRO)のデータを分析し、極地域にある白く凍った極冠による地形の侵食と風化の具合から、氷河期が終わった時期を約37万年前と弾き出しました。

地球と異なり、火星は地軸の傾きが時期によって大きく変動します。このためある時期では極地域よりも中緯度地域のほうが気温が低くなる現象が発生し、氷河期となります。よって氷河期の間は極冠が縮小する現象がおこります​。一方、今回の研究では現在の火星は特に北の極冠が成長しその厚みが320mほどにもなっていることが確認され、氷河期を脱しつつある根拠と考えられます。

こうした調査は、火星の極地域とそれ以外の地域をどれ位の水が移動し、どのような気候となっているかを知るために必要なことです。またどこに水が存在するのかを知っておくことは、いつか火星に調査のための基地を据える際にも重要な情報となるはずです。

さらに、温暖化が進む地球の環境と火星の環境を照らしあわせることは、今後の地球の気候や環境の変化を予測するうえでも参考になるとも考えられます。

ちなみに、火星は地球に比べると非常に大気が薄いため、液体の水は地表ではすぐに蒸発してしまいます。しかしNASAは2015年9月、火星の地下には液体の塩水があるとする強い根拠を発見したと発表しています。