27日、オバマ米大統領が主要国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)終了後に広島入り。平和公園の原爆資料館を訪問、原爆慰霊碑に献花した。原爆被爆者らと面会、核兵器廃絶への意欲を改めて示した。資料写真。

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2016年5月27日、オバマ米大統領は主要国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)終了後広島を訪問。平和公園原爆資料館を訪問し原爆慰霊碑に献花した。その後、原爆被爆者らと面会、所感を表明して核兵器廃絶への意欲を改めて示した。

オバマ大統領の所感要旨は次の通り。

71年前空から火が降りかかり、10万人を超える人たちが亡くなった。韓国・朝鮮人も数千人が命を落とした。戦争によって広島だけではなく、各地で残虐行為が行われた。人々がガス室に送られ、奴隷になり、先の大戦で6000万人が犠牲になった。戦争は広島・長崎で残虐的な終末を迎えた。8月6日に起きた苦しみは決して消えるものではない。このような苦しみを再発させないようにするためにはどうしたらいいのか、努力すべきだ。

科学が効率的な殺人の道具になってはならない。核兵器のない世界にしなければならない。偉大な宗教が愛や慈しみを説いても、物質的な進歩が憎しみや殺し合いつながってはならない。すべての人類は平等であり、幸福を希求する、持って生まれた権利がある。同じ人間としての絆を確認し、戦争を終結する努力をしなければならない。

◆米現職大統領の広島発訪問について、事前に3人の関係者に話を聞いた。

日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中煕巳事務局長はオバマ氏が核廃絶を約束したプラハ演説から「7年経過したが状況は全く変化していない。」と指摘。核廃絶に向けて「大統領として残りの任期中にできる限りのことをしてもらいたい」と要望した。また核兵器で戦争を抑止することはできず、世界中の国民が核兵器の悪魔性を重く受け止めるべきだと強調。日本が米国の核の傘の下にいることは「核の容認」につながると疑問を投げかけた。

秋葉忠敏・前広島市長は、「広島にオバマ大統領が訪問し献花することは、広島市長時代の願いだった」とした上で、大統領がプラハ演説で謳った核廃絶を実現させるために、(1)「オバマ任せ」にせず、オバマ大統領を孤立化させないこと(2)最大のカベとなる「軍産複合体」に取り込まれないようにする(3)強力な国際世論で核廃絶を推進する(4)リーダーとしてオバマ大統領を「活用」する―ことの4点が必要だと強調した。

『オバマ大統領がヒロシマに献花する日』を7年前に刊行した松尾文夫・元共同通信ワシントン支局長は、「戦争で亡くなった人たちのために、お互いに祈るという鎮魂の儀式を行うべきだ」として、同大統領の広島訪問を評価。「日本が率先して韓国、中国など和解することが急務であり、日本外交のチャンスでもある」と強調した。その上で、安倍晋三首相は甚大な被害を与えた中国の南京や重慶を訪れ、献花するとともに、韓国の従軍慰安婦に直接謝罪するよう訴えた。(八牧浩行)