By Groman123

アメリカ大陸とヨーロッパ大陸とをつなげる光ファイバー海底ケーブルを、MicrosoftとFacebookがタッグを組んで敷設することが明らかになりました。これまでは大手通信会社によってインフラ整備がされていた光ファイバー海底ケーブルを、大手IT企業が独自に構築する初めての試みとなっています。

Microsoft and Facebook to build subsea cable across Atlantic | Server & Cloud Blog

https://blogs.technet.microsoft.com/server-cloud/2016/05/26/microsoft-and-facebook-to-build-subsea-cable-across-atlantic/

Facebook and Microsoft Are Laying a Giant Cable Across the Atlantic | WIRED

http://www.wired.com/2016/05/facebook-microsoft-laying-giant-cable-across-atlantic/

Microsoftが、Facebookと協力してアメリカとヨーロッパを結ぶ光ファイバー海底ケーブルを敷設する計画「MAREA」を発表しました。MAREAプロジェクトでは、アメリカ東海岸のバージニア州からスペインのビルバオまで海底ケーブルを引き、そこからハブを経由してヨーロッパ、アフリカ、中東、アジアの各地への通信を実現する計画です。MAREAの海底光ファイバケーブルは、全長6600キロメートルで、8つの光ファイバーで160Tbpsの帯域を持つ予定。家庭用の光回線が100Mbpsとして、単純計算で160万世帯分の帯域を持つことになります。



Microsoftは「Bing、Office 365、Xbox Live、Microsoft Azureなどの各種クラウドサービスにおいて増え続ける顧客の需要を見越して、高速で信頼性の高い通信を必要としている」と述べており、Microsoft同様にFacebookメッセンジャー、WatsApp、Instagramの各種サービスで高品質の通信回線を必要としているFacebookと協力して、海底に独自の光ファイバーケーブルを敷設することにしたというわけです。

従来、海底の光ファイバーケーブルは通信会社が主体となって敷設され、その光回線をサービス提供者が借り受けるという構造でしたが、MicrosoftとFacebookは巨額の費用を投じて独自の回線を手に入れるという道を選んだことになります。電気通信調査会社のTelegeographyによると、大西洋を横断して移動するデジタルデータの3分の2は、Microsoft、Facebook、GoogleなどのIT企業のプライベートネットワークを経由するとのこと。大手IT企業のプライベートネットワークを経由する割合は数年前にはわずかに10%だったとのことで、クラウドサービスの普及に伴ってIT大手がデータ回線の大半を占有するようになったことについて、Telegeographyのティム・ストロンジェ氏は「驚異的な変化」だと述べています。



今回、独自の光ファイバー海底ケーブルの敷設を決定したMicrosoftとFacebook以外でも、Google FiberでインターネットプロバイダーになったGoogleが、通信会社の思惑に左右されない独自の回線を手に入れたいと考えていても不思議はありません。また、GoogleやFacebookが通信回線の整わない地域について、ドローンや気球を使ってモバイル回線網を作り出そうとしていることは、利益にならない地域への投資を行わない通信会社をあてにせず、独自に投資をする価値を見いだしているからとも受け取れます。

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旺盛な需要を背景に、回線を借りるよりも自分たちで海底に光ファイバーケーブルを引いたほうが利益につながるというMicrosoftとFacebookが下した決断は、巨額の投資を行って海底光ファーバーケーブル網を築き上げてきた通信会社の収益構造に、今後、少なからず影響を与えることになりそうです。

MAREAプロジェクトでは、光ケーブルの敷設は2016年8月にスタートし、2017年10月に完了する予定です。