写真/akaitori
◆売上2兆円超えの老舗タイヤメーカーの有名すぎるもう一つの顔

 日本ミシュランタイヤは、売上2兆6000億円、営業利益3200億円、従業員数11万人のフランスの老舗タイヤメーカー、ミシュランの日本法人です。そして、ミシュランといえばタイヤと同じくらい有名なのがレストランやホテルのガイドブック「ミシュランガイド」ですよね。年間100万部以上が販売され、日本でも2007年に欧米以外では初となる東京版、2009年には京都・大阪版が刊行され、大きなニュースとなりました。

第41期決算公告:4月12日官報57頁より
当期純利益:4億800万円
利益剰余金:△63億5400万円
過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1576151#flst

 施設や営業時間、予算などに加え、独自の調査を行って快適性や料理などにマークを付して掲載するミシュランガイド、特にその代名詞とも言える、0から3つの「星(マカロン)」で示される料理の格付けは、影響力が大きく、日本進出時も随分話題になりました。この格付けは料理のみを対象とし、覆面調査員による匿名調査、身分を明かしての訪問調査など、世界共通のメソッドによる調査・判定基準で付与されています。

◆緑の装丁の観光ガイドブック「グリーンガイド」も有名

 なお、ミシュランガイドというと、どうしても星に目が行きますが、そもそも星が付いていなくても、掲載されていること自体が既に一定の評価を意味しており、例えば通常のフランス版だと掲載されている3000軒以上のレストランの中、三つ星は30軒以下、星付きも1〜2割程度です。ただし、日本版は星付きレストランのみの掲載になっていますね。

 また、単純にミシュランガイドといえば『三つ星』評価のインパクトから、レストラン・ホテルを扱った赤い装丁の「レッドガイド」が話題になること多く、今回もレッドガイドをメインに扱いますが、緑の装丁の観光ガイドブック「グリーンガイド」も有名で、他にもミシュランのガイド・地図部門では、自動車旅行向けの道路地図も刊行しています。

◆そもそも、なぜタイヤメーカーのミシュランがガイドブック?

 とはいえ、今さらですが気になるのが、そもそもなぜタイヤメーカーのミシュランがレストランやホテルのガイドブックを発行しているのかということで、その歴史に触れてみたいと思います。その誕生は、パリ万博が行われた1900年、創設者のミシュラン兄弟がいち早くモータリゼーションの時代が到来することを確信、35,000部を無料配布したのが始まりです。

 その内容はというと、郵便局や電話の位置まで示した市街地図や都市別のガソリンスタンド、ホテルの一覧のほか、自動車の整備方法等を載せた、ドライバーの移動や旅行をサポートするものでした。自動車での快適な移動や旅行をサポートして、結果的に自社のタイヤの売上が伸びればOKというコンセプトは、まさに現在のオウンドメディアマーケティングを思わせますね。マスコットキャラのミシュランマンといい、この辺りのミシュラン兄弟のPRセンスは凄いものがあります。

◆「ガイドはタイヤのためにある」という原則と評価基準

 この「ガイドはタイヤのためにある」という原則は、現在でも引き継がれており、実際に新しい国でミシュランガイドが刊行されると、その国でミシュランタイヤを買おうと思う人が3%増えると言われています。ちなみにガイドの評価基準においても、結構タイヤとの繋がりを感じられます。

 トータルパフォーマンスを掲げる、ミシュランのタイヤは(1)グリップ(2)ハンドリング(3)快適性と静謐性(4)省燃費性(5)耐久性(6)ロングライフ、といった全ての性能を追求するとしていますが、ミシュランガイドの評価基準である(1)素材の質(2)調理技術の高さと味付けの完成度(3)独創性(4)コストパフォーマンス(5)常に安定した料理全体の一貫性、と並べてみると何となく同じポリシーが感じられます。