やわらかな表現がすてき。使いこなしたい大和言葉

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日本の言葉には外来語と大和言葉があります。外来語は外国の言葉を日本の暮らしに定着させようとした、いわば先人の努力の結晶。そして大和言葉はもともと日本にあった言葉です。
なかでも大和言葉のもつ繊細な言い回しを使いこなせると、言葉のセンスや表現力に磨きがかかります。
感謝の気持ちを伝える言葉
たとえば感謝の気持ちを表現するときも、「ありがとう」だけでなく、いくつかの大和言葉が使えます。

・「もったいない」
「惜しい」という気持ちの表現だけでなく、相手の行動が恐れ多いときにも使います。目上の人から褒められたときに、「いえいえそんな......。」と否定するより、「もったいないお言葉をありがとうございます。」と、言葉を受けとめつつ謙遜できればよりスマートですね。
・「いたみいる」
相手からの親切が心に痛いほどしみたり、恐縮するときに使います。たとえば目上の人から気配りをいただいたときは「お心遣いの数々、いたみいります。」と、奥ゆかしいながらもしっかりと感謝の気持ちを表したいものです。
・「この上もない」
「最高」や「素晴らしい」という意味で使われますが、「この上もない」という言葉を選ぶことでよりありがたみが伝わりそう。目上の人や大勢の人からお祝いいただいたときは、感謝と共に「この上もない喜びです。」と、ひと言そえたいものです。
・「おそれ入る」
驚いたとき、またあきれるときにも使いますが、感謝の気持ちを表すときは恐れ多いという意味合いで使われます。いつもごちそうになっているときは、「今日もごちそうになり、本当におそれ入ります。」と言うことで、恐縮していることをお伝えできます。

角が立つ言葉もやんわりと
そして言いにくいことをやんわりと伝える言葉もあります。

・「ややもすれば」
予測される状況になりそうなときに使います。「ややもすれば、時間に遅れますよ。」など忠告したいときに便利です。
・「いささか」
「少し」という意味で使われます。疑わしく思うときでも、「いささか疑問です。」と表現することで、やわらかく伝わります。
・「角が立つ」
相手に不快感を与える言動を行うことです。たとえば「私が言うと角が立つから、あなたからお願い。」など、夫婦間でも使えそうです。
・「言いかねる」
何かの差しさわりがあるために、言うのをためらうときに使います。相手からの言及を避けたいときでも、「なんとも言いかねます。」と言うことで、ためらう心情をお伝えできます。

このように、状況にあった心の機微をやんわり伝えることのできる大和言葉。この和の言葉を上手に使いこなすことで、表現のセンスが磨かれるだけでなく、よりやわらかなコミュニケーションがとれそうです。
[『さりげなく思いやりが伝わる大和言葉 常識として知っておきたい美しい日本語』]
photo by PIXTA

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