photo by PDPics(CC0 Public Domain)
 みなさん、こんにちは。

 空気を読むを科学する研究所代表取締役の清水建二です。

 本日のテーマは、ビジネスというよりは多くの方々にとっては万が一に備えた話です。

 武蔵小金井である女子大生シンガーの女性がファンの男性に襲撃されるという事件が起きました。事件の経緯や原因を私は詳細には知りませんので、被害者・加害者の心理や事件そのものについては言及を避けたいと思います。しかし、こうした事件を予防するために微表情が貢献し得ることを本日はご紹介したいと思います。

◆危険度を表情から推測する

 アメリカでは要人警護を担当する警察官やその他の法の執行官、空港職員向けに、危険人物を特定するプログラムが実施されています。プログラムの全容は非公開ですが、その中の一つに微表情から危険人物を特定するプログラムがあります。

 多くの人々が行き交うストリートや熱気でひしめくコンサート会場、様々な人々が集う有名人の訪問や演説の場で、以下のような表情をしている人がいるとします。この中にはこれから暴力行為をしようと企てている人物がいます。それはどの人物でしょうか。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=95508

 解答・解説は、本文中及び本文の最終ページに書きました。

 アメリカで要人警護・空港警備向けに実施されているプログラムは、次々と映し出される否定的な表情スライドの中から危険表情のみを瞬時に検知するというものです。危険表情を直感的に正解できるまでトレーニングは続けられます。

◆危険表情とは?

 危険表情とは、殺人・暗殺・テロ・暴力行為を行う意図のある表情のことを言います。この危険表情の数秒後以降に暴力行為が行われることが知られています。この表情は、防犯カメラなどに収められた、暴力行為をした人物の表情分析のデータと暴力行為を身近で体験した警察官や犯罪被害者の目撃証言から推定されました。

 その後、科学的な検証を経て、怒り表情のバリエーションの中でも「ある2つの表情」が直接的な暴力行為につながる可能性の高い危険表情であることがわかりました。

 一つは、「攻撃を目論んでいる顔」と呼ばれています。表情の特徴は、「眉が中央に寄りながら下がる+目が見開く+まぶたに力が入る+唇が上下からプレスされる+(下唇が上がる)」です。これは先の画像のAの人物の表情です。したがって、先の問題の正解はAということになります。

 この表情を端的に言うと、「怒りを押し殺した表情」と言い換えることができます。私たちが感情を押し殺そうとするとき、口の周りに力を入れることが様々な研究からわかっています。暴力意図のある人物は、怒り感情を沸々と煮えたぎらしているのですが、それが表情として前面に出てしまうと、暴力をする前に周囲に危険を察知されてしまい、暴力行為という目標を達成することができません。したがって、怒りを押し殺そうとするのです。しかし、その抑制しきれない怒りが、微表情として表情に表れたり、ときに数秒間にわたって表情に表れたりするのです。

 この表情が表れている人は、

・誰かを攻撃する計画を練っている
・攻撃のタイミングを見計らっている
・攻撃目標が現れるのを待っている
・攻撃目標が気を抜くのを待っている

 こうした意図を持っていると考えられています。

 つまり、この表情をしている人物は、数秒後から数日後以降(計画や憎悪の程度によります)に何らかの暴力行為を意図している可能性が高いということです。暴力を振るう直前の人物や爆弾を仕掛けようとしていたテロリストの顔や学校を襲撃する数時間前の犯人の顔にもこの表情が浮かんでいたことが観察されています。