体をよく知って喜びを分かち合いたい

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映画や小説では、ベッドインした男女が一緒に絶頂に達し、メデタシ・メデタシとなるのがお約束事になっている。しかし、現実にはオーガズムを得られない女性は多く、イクふりをしたり、自分はおかしいのではないかと悩んだりする例が少なくないという。

大丈夫! イケないのはアナタが悪いのではない。生まれつき微妙な体の構造の違いによって絶頂に達しやすい人と達しにくい人がいるという新説が出され、話題になっている。その違いを理解すれば、性生活が楽しくなる?

胎児の時にあびた男性ホルモンの量が決め手に

米インディアナ大学医学大学院の解剖学者レスリー・ホフマン博士が、米の臨床解剖学誌「Clinical Anatomy」(電子版)の2016年4月4日号に発表した。

その驚きの報告によると、女性が通常の性行為(正常位)時にオーガニズムに達するためには、クリトリスと尿道口(膣口の上)の間の距離が重要で、「2.5センチ」までであることが望ましい。3センチ以上に離れると、オーガズムを得ることが非常に困難になるそうだ。「2.5センチ」といえば親指の幅ほどだ。また、この「魔法の距離」は、生まれる前の胎児の段階で決まっているという。

なぜ、胎児の段階で決まるのか。胎児のクリトリスは、母親の胎内にいるときに成長とともに膣口から離れて上の方へ移動していく。その際、胎内で多量の男性ホルモンを浴びた胎児ほど、クリトリスの移動距離が大きくなる。

実は、クリトリスとペニスは、発生段階では同じものなのだ。人間はまず女性として誕生し、途中で半数が男性に変わる。男性になる胎児はクリトリスがペニスに変わり、さらに上の方に移動していく。だから、男性ホルモンの多い少ないが「移動距離」に影響を与えているのかもしれない。

ところで、クリトリスと尿道口の距離が3センチ以上になると、なぜ絶頂に達しにくいのか。ホフマン博士はこう説明している。

「女性がオーガズムを得るためには、男性のペニスのサイズや性的技量、女性の要求の強さ、その場の雰囲気など様々な要因がありますが、重要なのはクリトリスへの適切な刺激です。尿道口との距離が3センチ以上離れると、伝統的な挿入行為(正常位)だけでは、ペニスの運動によってクリトリスをこすって刺激することが困難になります」

つまり、クリトリスに優しくしてあげることが大切で、膣内でピストン運動を繰り返すのは「オトコの自己満足」であり、女性はあまり感じていないということだ。これは、大方の男性の「常識」を覆すショックな指摘である。

男女がともに喜びを分かち合うには...

今回の論文にレビュー(論評)を付けている米産婦人科学会のモーリーン・ウェリハーン医師も、米医療メディア「ヘルスプレス」の取材に対し、同意するコメントをしている。

「私の診察経験でも、女性の70〜90%は単純な挿入行為だけで絶頂に達するのは不可能です。よく膣の中に『Gスポット』と呼ばれる性感帯があるという説がありますが、現在、大半の専門家はその存在を認めていません。もし存在するとすれば、ごく少数の女性だけでしょう」

では、距離が3センチ以上ある女性はどうしたらよいのだろうか。ウェリハーン医師はこうアドバイスをしている。

「クリトリスへの愛撫がいちばんですが、挿入によって女性のオーガズムを望むカップルには、同時にクリトリスへの摩擦を得られる女性上位の姿勢をオススメします。私の患者でオーガズムを得られた人の9割は、女性上位に効果があったと語っています。ほかにもお互いに指でクリトリスを刺激しながらできる姿勢で行なうといいでしょう」