ハッキングが芸能界を襲う(※写真はイメージです)

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 女性芸能人の会員制交流サイト(SNS)に不正にログインし、個人情報をのぞき見したしたという事件が、芸能界に衝撃を走らせている。今月18日に警視庁サイバーアクセス課が不正アクセス禁止法違反容疑により、長崎県に住む男を逮捕。容疑者は自身のパソコンで有名女性芸能人のプライベート写真を盗み見る行為を繰り返していたという。被害者の中には、女優の長澤まさみ(28)や武井咲(22)、北川景子(29)など人気女優の名前が並び、その数は100人以上にも及ぶとも言われている。

 盗み見されたデータの中には、アドレス帳や通話履歴なども含まれていたというから驚きだ。逮捕された男は、「ハッカーに憧れていた」「雑誌に載っている話題が本当か確かめたかった」といった供述をしており、ハッキングをスリルのあるゲーム感覚で楽しんでいた様子がうかがえる。

 最近ではヤミ市場において、SNSなどのIDやパスワードを瞬時に解析することができるソフトが高値で売られているという話もある。同様の事件が頻発する可能性が指摘されているのだ。

■芸能事務所では新たな動きも

 またこれらの事件の怖いところは、犯人逮捕で完結しない点にある。盗み取られたデータが何らかの形で悪用されている恐れがあり、二次被害が出てくるのではないかと懸念する声もあがっている。

「プライベートで撮影した写真はほぼすべて流出したと考えられるので、中には個人的にヤバい写真なども含まれている可能性もある。逮捕された男がデータを複製していれば、第三者に渡しているとことも予想できます。事件が一気に拡大する恐れは、十分考えられるでしょう」(ITライター)

 そうした被害拡大を恐れ、不正アクセス対策を取り入れる芸能事務所もある。ITライターが続ける。

「ハッキングで流出した写真からスキャンダルに発展したら、たまったものじゃありませんからね。セキュリティに強い人材を採用し、IT専門の部署を作った事務所もあります」

 出来心や興味本意だったでは、許されることのないハッキング行為。SNSやデータ保存サービスの利便性が高まる今だからこそ、しっかりとデータを保護する取り組みが当たり前になりつつあるようだ。

文・阿蘭澄史(あらん・すみし)※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。