OA候補のひとりとして噂される吉田だが、現時点では具体的なオファーもなく「なにも言うことはないです」とコメント。(C)JFA

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  海外組のみでキャンプを張るハリルジャパン。2日目を迎えたこの日の練習が終わり、ロッカールームから出てきた清武弘嗣は、すぐ側にいた吉田麻也に対して「リオにも行くという、俺らのキャプテン!」とはやし立てた。
 
 もちろん、これはジョーク。「そうやってイジられているだけですよ」と、吉田はサラリとかわす。
 
「(OA招集については)まだなにも言われていないですし、なにも言うことはないです」
 
 U-23日本代表のCBに怪我人が続出している状況で、OA候補とし吉田は噂されるが、現時点では本人もコメントはできないという。ただ、吉田なりの“OA論”については言及してくれた。
 
「メダルを取りに行くなら絶対にOAは必要。そのOAは少なくともオリンピックやワールドカップを経験している選手でないと、(OAの)効果は発揮できないと個人的には思っている」
 
 自らが挙げる条件を吉田はクリアしているが、先述したとおり、具体的なオファーがなければ、イエスともノーとも言うことはできない。
 
 そもそも、「僕自身、どこにいるか分からない状況なので」という、自らの去就問題をはっきりさせなければならない。
 
 昨季、サウサンプトンでは満足のいく出場機会を得られなかっただけに、移籍も視野に入れているという。吉田本人のスタンスは明確だ。「シンプルに、試合に出たいだけ」。クラブに不平や不満があるわけではなく、「家族も自分も慣れているし、英語に問題があるわけじゃない」から「イギリスにいられれば一番良い」。
 
 しかし一方では、「年齢的にも一番良い時に、ベンチでは過ごしたくないとはずっと思っている」。一部報道では古巣の名古屋復帰も報じられるなか、「ヨーロッパにいたいけど、Jリーグがダメというわけではない。今はどことも交渉していないし、どの選択肢もありえる」という。
 
 OAとしての期待を受けつつ、自身の去就問題もある。考えるべきことは少なくないなかで今回のキリンカップを迎えるが、「それはそれ。代表はワールドカップに向けてやっていかないといけない。国のために闘うのは、フレンドリーだろうとなんだろうと、全力を尽くさないといけない」と表情を引き締めた。
 
「2次予選では、監督が求めていることを表現するのはそこまで難しくなかった。だけど、最終予選はそういうわけにはいかない。難しい試合が多くなってくる。そういう意味では、レベルの高いチームとテストマッチできるのは、非常に有意義だと思う」
 
 心にもやもやとしたものがあるかもしれないが、指揮官からも絶大な信頼を寄せられる不動のディフェンスリーダーは、すでに気持ちを切り替えている。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)