カメラ、電卓、時刻表、情報収集にSNS。電話+αだったはずのスマホで、アラサーが一番使ってない機能が通話かもしれない。

心の奥底に澱のように溜まるもやもやを上から目線でセラピっていく『女のもやもやセラピー』。

今回のテーマは「男と女のSNS」です。

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5月22日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に、フリーアナウンサーの高橋真麻さんが出演。32歳のとき、恋人からFacebookのメッセンジャーで「別れよう」と告げられたことを“大号泣したエピソード”として紹介していました。

真麻さんは当時の心境として「1年半くらい引きずった」「毎日死にたいと思っていた」と告白。

今は新しい恋人とお幸せで、ご本人にとってこの件は「今となっては公共の電波に乗せてでも話せる」過去のこと。ですが、自分に重ね合わせて考えると、「まがりなりにも、一度は心を通わせて恋愛関係を構築した相手に、4文字ペロッと送信してフるというのは、大人の男性としていかがなものか」と思わずにはいられません。

独身アラサーのバイブルとしても名高い海外ドラマ『Sex and The City』では、キャリーが小説家の彼に付せんで別れを告げられるというシーンがあり、それを見つけた彼女は大激怒。親友たちとイケナイパーティに繰り出し、ハッチャけまくって警察に逮捕されていました。

小泉今日子さん主演のアラフォードラマ『続・最後から2番目の恋』でも、“付せんくん”が登場。玄関に「さよなら」の付せんだけを残して消えた年下の彼との恋愛が今でも傷になっている、本気で恋ができないのはそのせいかも、というエピソードがありました。

「さよなら」と書いた付せんも、スマホから送信する「別れよう」の言葉も同じです。自分の気持ちだけを一方的に伝えて逃げた恋人というのは、アラサーをこじらせ、ひいては40代まで独身という憂き目にあわせかねない大罪をはらむのですよ。

 

いつからでしょうか。かつてLINEは、電話番号やメアドを教えるにはちょっとな、という相手に伝える連絡先でした。メッセンジャーにいたっては、「暇なときにでも白玉あずきで検索してみて!」と教えることさえしなかった。

でも今は、大切な人ほどLINEやメッセンジャーのやりとりをする。恋人とも、電話で話すよりもSNSツールを使ってチャットする頻度のほうが高いアラサーが断然多い。あまりにもSNSツールが身近になりすぎたせいで、「会ってちゃんと話す」とかいうことの重要性がよくわからなくなってきているのかもしれません。

仕事でもそう。毎月一緒に仕事をしていて、Facebookで近況を見れば「いいね!」を押したりコメントしたり、メッセンジャーで無駄話を絡めた文書を送りあっている相手と、近いうちにランチでも! と書きながら5年間一度も会っていない。でも、すっごく密な気がしている。会わなくてもすっかり平気になってしまっている。

そう考えると、恋人たちが、一番慣れ親しんでいるツールで別れ話を切り出すのは、むしろナチュラルなこと? いや違う。やっぱりちゃんと、本当の思いを伝えないといけないし、それにはSNSは使えない。

何かの映画だったかドラマかだったかで「インターネットが伝えるのは情報だけ。人の思いは届けられない。だから僕は手紙を書く」というようなセリフがありました。
どんなにテンポよく、実際に会話しているようにチャットしたとしても、“誠実な思い”というのは届かないと思うんです。特に別れのときは。

「別れたいと思ったときの人間は残酷。わざわざ会ってモメたら面倒だし、むしろ会いたくないから付せんなりSNSでペロッと終わりにするんでしょう」という意見もあります。でもなー。雑に扱われている感じが否めない。恋愛って、もっとこう、熱く激しいものだったりするわけじゃないですか。
確かに会うと、きっとモメる。モメずとも、両者痛手を負う。でも、自分だけ無傷でこの恋を終わらせられると思うなよ、と懐刀に手をかけたい気分なのです。

真麻さんは、父親の秀樹さんから「フッた男にすがるような娘に育てた覚えはない」と言われたことをプライドに、その彼に「別れたくない」という連絡はしなかったそう。それは「こっち側」の気持ちとして理解もできます。けど、やっぱり、簡単に連絡が断ち切れるSNSで、一言残して逃げるように消えるのは、ひどいと思うのです。

SNSで仲良くなってSNSで別れる。その恋愛はアラサーにとって吉なのか凶なのか、スマホ恋愛経験者のインタビューはその2に続く

■プロフィール

 白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。