韓国で開催された水原JS杯で日本は4か国中最下位という成績に終わった。目前で優勝の喜びに浸る韓国の選手たちを、日本の選手たちが見つめる。写真:安藤隆人

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 5月18日から22日まで韓国の水原市で行われた水原JS杯。今年10月にバーレーンで行なわれるU-19アジア選手権を控えるU-19日本代表が参加し、U-19フランス代表、U-19ブラジル代表、U-19韓国代表と対戦した。
 
 結果は2敗1分けの最下位に終わったが、3チームともほぼベストメンバーを揃え、高いモチベーションで臨んで来たとあって、どの試合もハイレベルで『経験値を積み上げる』という面では、申し分のない相手と戦うことができた。
 
 そして皮肉にも、日本は国際舞台で戦ううえで、『やってはいけないこと』を3戦すべてでやってしまった。しかも、一番やってはいけない流れで。
 
 U-19アジア選手権も、その先のU-20ワールドカップも、予選リーグを戦ってから決勝トーナメントに進むというレギュレーションを採用している。それだけに初戦が重要なのはもう『当たり前のこと』で、そこで簡単にやられてしまうと、リーグ戦全体に悪影響を及ぼす。だが、その当たり前のことを日本はできなかった。
 
 初戦のフランス戦で、開始24分での3失点。その後、なんとか盛り返したが、3点リードを追いつき、ひっくり返すのは至難の業で、1-3で落とした。失点した時間帯は完全にフランスに飲み込まれ、なす術が無かった24分間だった。
 
 フランスはポゼッションをベースにしながらも、立ち上がりは日本を揺さぶるために、効果的にロングボールを放り込んできた。6分にパリ・サンジェルマンで出場機会を得ているMFクリストファー・ヌクンクのドリブルに対応できず、簡単にスルーパスを許し、リーグアンのギャンガンでコンスタントに出場しているMFリュドヴィク・ブラスに抜け出され、あっさりと先制点を許してしまう。
 
 13分には右スローインからDF町田浩樹のクリアが中途半端になり、これをブラスに拾われ、そのままシュートを叩き込まれた。24分にはディフェンスラインからの一発のロングフィードでブラスに抜け出され、ループシュートを決められ、ハットトリックを許してしまった。この3点でフランスは勝利を確信し、その後は攻撃のペースを緩めていった。それもあり、日本は反撃ができたという見方も生まれた。
 
「どこかで相手をリスペクトしすぎていた。怖さがあって、消極的なプレーになってしまった。せっかくの舞台なのに自ら試合を苦しいものにしてしまった」。
 
 内山篤監督がこう悔やんだように、重要な初戦の立ち上がりで受け身に回ってしまい、相手にやりたいことを簡単にやらせてしまった。結果、『与え過ぎ』の3失点による、初戦の黒星発進となった。
 
 第2戦のブラジル戦ではこの反省を踏まえ、2点を先行できたが、後半開始早々の48分に自陣のFKからバックパスをかっさらわれ、自滅の形で1点を返されてしまう。軽率と言われても仕方がないミスで、相手につけ入る隙を与える追撃ゴールを許した。
 
 これには内山監督も、「FKからあんな同サイドのバックパスはあり得ない。後半立ち上がりでボールを大事にしようとする意識がマイナスに働いた」と苦言を呈した。ブラジルはハーフタイムに一気に5人を入れ替え、「さあ行くぞと分かりやすいエンジンをかけてきたにもかかわらず、みすみす相手にチャンスを与えるのは論外」と内山監督が嘆いたように、相手をさらに勢いづかせてしまった。その後、2-2の同点に追いつかれるのは必然の流れだった。
 
 これで1分け1敗。最終戦の韓国戦は『勝つしかない』という状況になった。そうなると、よりアグレッシブに戦わないといけない。しかも、相手の韓国は引き分け以上で優勝が決まるだけに、堅い試合運びをして来ると予想された。いかにイニシアチブを握って、縦への意識を高く崩しに掛かれるか。