連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第7週「常子、職業婦人になる」第44話 5月24日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:岡田健


チューブ入り歯磨きが破裂して、森田屋は大騒ぎ。
「終わりましたねえ……」と残骸を見つめてしょんぼりする小橋家と森田屋だったが、
常子が「失敗しちゃいました」と笑い出したことで、みんなも大笑い。
常子、いじらしいし、たくましい。こんなに大きな失敗も笑い飛ばし、皆のココロを軽くする。
みんなも常子の気持ちを察してか、一緒に笑い飛ばす。こういう家族(森田屋も常子の疑似家族的)の関係性は素敵だ。
高畑充希が口元に手を当てた時、一瞬、泣きだすのと思ったら、笑い出した。
もしかして、泣きたいのをグッとこらえて笑いに転じたのか。
いずれにしても、高畑充希はよく口元を手で覆う。これが実に慎ましやかで愛らしい。

仕草と言えば、新たな仕事を探している常子に、和文タイプをと教えている時の東堂先生(片桐はいり)の
指の動きも気になった。

鉄郎(向井理)は、意外にもお金を工面して帰ってきたが、問題は解決してしまっていた。
「でもそこを見えないって言ってほしかった俺のいじらしさ」のリズムがいい。
鉄郎は仲間の大事な金を借りて戻ってきたらしく(こんなちゃらんぽらんな男にも大金を貸してくれる仲間がいるのか)、夜のうちにどこかへ返しに戻ろうとする。星野武蔵(坂口健太郎)は朝が似合い、鉄郎は夜が似合う。
「あばよ。」って捨て台詞、柳沢慎吾以来だよなあ。

柳沢慎吾より前に寅さんも「あばよ」を使っていた。「あばよ」を使う男って、困ったちゃんかつ照れ屋さんが多いらしい。
女では、研ナオコが、嫌われた男に「笑ってあばよと気取ってみるさ」と歌ってる(作詞作曲は中島みゆき)。
向井理は、腹巻きしていても腹巻きに見えず、すっとしていてかっこよく、「あばよ」の中の強がりの美学がまだまだ似合う感じではないのだが、これを会得したら、俳優として魅力が増すと思う。
ちなみに「さらば」が似合うのは森田健作とささきいさおとあぶない刑事で、かっこいい系。
(木俣冬)