グーグルも投資した「世界最大の太陽熱発電所」で火災、トラブルが相次ぐ

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カリフォルニア州の砂漠に大量の鏡を設置した「世界最大の太陽熱発電所」で火災が発生した。グーグルなどが資金を投じたものだが、当初の発電目標を達成できずにいるほか、発電コストが高いことや、パイロットや鳥への被害問題などでも圧力にさらされている。

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2/182010年10月15日、建設が始まる前の現場。
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3/182011年1月14日撮影。「Solar Field One」の基礎工事。背景にクラーク山が見える。
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4/182011年4月21日撮影。背景に、アイヴァンパ乾湖(Ivanpah Dry Lake Bed)と州間高速道路15号線が見える。
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5/182012年1月6日撮影。Solar Field Oneにヘリオスタットを設置開始。

6/182012年1月6日撮影。Solar Field Oneに取り付けられたヘリオスタットと、隣接する扇状地の手つかずな砂漠地帯をより詳しく見ることができる。
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7/182012年6月4日撮影。パイロンにヘリオスタットを設置する作業員(鏡面に山が映り込んでいる)。
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8/182012年6月5日撮影。自動車レース場のコースが刻まれたアイヴァンパ乾湖と州間高速道路15号線、プリムヴァレー・ゴルフクラブ、そして遠くにアイヴァンパ太陽熱発電所が見える。
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9/182012年10月27日撮影。アイヴァンパ太陽熱発電所を北側から見たところ。3つの太陽熱発電フィールドを全て見ることができる。手前のSolar Field Oneは、ヘリオスタットの取り付けが完了している。
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10/18 2012年6月2日撮影。
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11/18 2012年6月2日撮影。
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12/18 2012年6月2日撮影。
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13/18モハーヴェ砂漠、2012年4月4日撮影。
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14/182012年4月11日撮影。
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15/182012年1月6日撮影。
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16/182011年1月14日撮影。
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17/182011年1月14日撮影。
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18/182011年1月14日撮影。
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米国カリフォルニア州南部のモハーヴェ砂漠にある世界最大の太陽熱発電所で5月19日(米国時間)、火災が発生した。蒸気を発生させるタワー3基のうち1基の電気系統で火災が生じたものだ。

今回の火災は、同発電所が操業開始後2年間にわたって発電目標を達成できていないとして、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から圧力を受けてきたなかで起きた。

火災を起こしたアイヴァンパ(Ivanpah)太陽熱発電所は、約7.2平方メートルの鏡「ヘリオスタット」を大量に設置。砂漠に降り注ぐ熱い日差しを、高さ約140mのタワー3基のひとつに集中する。その熱によってタワーで蒸気を発生させて発電機を動かす仕組みだ。

AP通信の伝えたところによると、5月19日午前9時半頃、向きの調整を誤ったヘリオスタットの一部が、タワーの天辺にあるボイラーではなくタワーの高さ約3分の2のあたりに太陽エネルギーを集中させたという。それが原因で電気ケーブルに火が着き、タワーの蒸気配管ダクトと送水管が溶けたり焦げたりした。

火災は短時間で収まったが、いつ操業が再開されるかはわからないという。現在、別のタワー1基もメンテナンスのために停止しており、残り1基だけが発電している状態だ。

アイヴァンパ太陽熱発電所は、理論的には、年間44万8,000MWhのクリーンエネルギーを生成できる。だが、『Wall Street Journal』紙の記事によると、CPUCは2016年3月、同発電所の将来を疑問視。2014年に稼働を開始して以来、約束していた電力量を供給していないと言及した。

『Wall Street Journal』紙によると、同発電所が生成したエネルギーは費用効率が悪く、夏はメガワット時あたり約200ドル、それ以外の季節はメガワット時あたり135ドルの費用が掛かっている。ちなみに、2015年に従来型の発電所から売却された太陽光発電による電力は、費用がメガワット時あたり約57ドルだった。

また、ヘリオスタットからの反射光は強力で、熱によって「数千羽の」鳥が死んだ(一部は焼死)という。同発電所は監督機関から、これらの事故を詳細に追跡し、鳥の死について毎月報告するよう求められている。さらに、開業した2014年初め以来、上空近くを飛ぶパイロットから、発電所からの反射光で目が見えなくなると繰り返し苦情を寄せられている

アイヴァンパ太陽熱発電所の建設は、政府融資15億ドルと、Brightsource Energy、NRG Energy、グーグルの親会社アルファベットからの投資で資金調達が行われた(日本語版記事)。

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2016年5月19日撮影。PHOTOGRAPH COURTESY OF SAN BERNARDINO COUNTY FIRE DEPARTMENT