静岡富士山空港は外国人観光客急増の恩恵を享受。2015年度の搭乗者数は前年比27%増の69万8652人で、09年の開港以来の最高記録となった。15年の外国人の宿泊延べ日数も前年比伸び率で静岡県が2.3倍と全国1位。写真は静岡空港。

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4月の訪日外国人客数が前年同月比18%増の208万人と過去最高を記録した。この活況に沸いているのが、日本各地の空港。特に外国人観光客に人気のゴールデンルート(関西―富士山―関東)の中心に位置する静岡富士山空港はその恩恵をフルに享受している。2015年度の搭乗者数は前年比27%増の69万8652人で、09年の開港以来の最高記録となった。中国からの訪日観光客の増加を背景に国際線の利用が伸び、初めて国内線を上回ったのが大きい。15年の外国人の宿泊延べ日数(人数に宿泊数を掛けた数値)の前年比伸び率で静岡県が2.3倍(175万泊)と全国1位となった。

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2015年度の搭乗者数は前年比27%増の69万8652人で、09年の開港以来の最高記録となった。中国からの訪日観光客の増加を背景に国際線の利用が伸び、初めて国内線を上回ったのが大きい。15年の外国人の宿泊延べ日数(人数に宿泊数を掛けた数値)の前年比伸び率で静岡県が2.3倍(175万泊)と全国1位となった。

静岡空港の年間搭乗者数は開港翌年の10年度に55万人を超えたが、東日本大震災や韓国との関係悪化の影響などで利用が落ち込んだ。15年に中国系航空会社の路線開設が相次ぎ、国内線を合わせた15年度の提供座席数は110万席を超えた。

国際線の搭乗者数は60%増の38万9569人で全体の56%を占めた。団体ツアー向けのチャーター便が急増したほか、15年9月には中国本土を結ぶ定期路線が13路線週49便に拡大。中国東方航空の上海・武漢線が7万人を超えたほか、チャイナエアラインの台北線も5万人を超えて過去最多となった。鄭州、長沙、重慶、武漢など中国内陸部の都市からの路線が開設された。静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合は「成田空港から入国して京都などに向かう観光ルートの真ん中に位置し、富士山が近い場所として宿泊需要も多い」という。

日中間の航空協定で、発着回数が飽和点に近い羽田空港や成田空港を除き、中国の航空会社は自由に航空路線を開くことができる。静岡空港は最後に開設された地方空港で、東京・大阪から新幹線で1〜2時間の近さゆえ不要との烙印を押され、当初閑古鳥が鳴いていたが、息を吹き返した。

静岡県や観光業者は、世界遺産の富士山のほか、浜名湖や伊豆の温泉地、国宝の静岡市久能山東照宮などを周遊する観光ツアーを企画。中国人に人気の高いアニメ「ちびまる子ちゃん」など、ゆかりのキャラクターを前面に出して、地元に滞在してもらうよう策を練っている。

観光庁によると、15年の外国人の宿泊延べ日数(人数に宿泊数を掛けた数値)は前年比48.1%増の6637万泊。調査を開始した07年以降で過去最高を更新した。前年比伸び率では静岡県が2.3倍の175万泊で首位となった。同県によると、静岡空港の開港6年目(14年6月4日〜15年6月3日)の経済波及効果は312億円。同県は「中国路線の拡大でインバウンドの国際線利用者が大幅に増えたことが経済高拡大につながった」と喜んでいる。

羽田空港や中部国際空港の発着枠拡大を背景に、中国系航空会社の一部がこれら主要空港へシフトする動きがあるものの、今後も堅調な伸びを示すと見られる。(八牧浩行)